「いそが……」

「忙しい」という言葉で周囲に当たり散らすような態度がそもそも嫌いで、「忙しい」という言葉を用いることが大変、嫌いだ。忙しいというのはもちろんやることがたくさんあるということでもあり充実度やそのひとの有能度のひとつの指標にはなれど、その一方であくまでも「そのひとのキャパをこえてる」という事実もあらわす。

もしかしたら自分自身の容量の問題かもしれないのに、それを「忙しい」という言葉で充実度や有能度に置き換えてしまう思考プロセスの愚鈍さが、つまり嫌いだ。


なので自分自身はけっしてそうやって自分自身のキャパの問題でもあるかもしれないことを、これからのひとたちや周囲のひとたちに押しつけないようにしようと、決めている。


なのだけど、たとえばこうやってウェブ小説が更新できなかったり自分自身やりたかったことがあまりできない日常が続くと、どうしても「いそが……」くらいまでは、言葉が出かける。

あぶないねえ。歳を、とるとは。それまでは単なる理不尽にしか見えてなかったことの理屈が。見えてくる、ってことだから……。

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