繊月

吐く息が白くなる

見上げるたびに 視界が覆われる

手品師が技を見せつけるときの白い煙のように


何が飛び出すのか 何を織りなそう

人々が浮かれたようにはしゃぐ夜に

僕らを紡ぐ細い糸


つないで欲しい 離さずにいて

夜空にぽかり 浮かぶ繊月

背中を丸め また歩き始める

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