あぁ、あなたが羨ましい

私が知る限り、あいつの一番近くにいる

私だってそばに行きたいのに

堂々と近くを占有している

なんて妬ましく忌々しい

でも仕方ない

あなたはあいつのお気に入り

どこに行くときも

どんな時でも　あなたを連れていく

まるで一時でも離れている時間が惜しいみたいに

時に流行りの歌を口ずさみ

数学の難しい問題をわかりやすく解説し

英語の文章もすらすらと音読

それから

悔しいけど、私の声もあいつに届けてくれる

まったく、なんだかごますってるみたいね

それでも私は許さないし認めないから

「おい、この芸人の（動画）、一緒に見ようぜ。すげーおもしれぇから」

「え、ちょっと……」

「もう少し寄って。有線で届かないんだ、イヤホン」

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