アンダーツリー

目に見えないものは恐ろしい

言葉の通じない相手は信じられない

聞く耳を持たない相手は非難していい


だからわだかまりを捨てる術を探して

目に見える形のものを他からあてがい

自分たちだけがわかる言葉にして

何も考えずにぶつけていく


僕らはみんな木陰の中にいた

涼しい風を浴びて 休んでいた

人が集まれば いろんな人がいる

それでもよかった

木の下はいつでもみんなのものだった


だけど いつしかそこは「だれかのもの」になった

不満やわだかまりのはけ口を

目に見える相手 言葉が通じない相手に向けて

その人たちに お互いに

深く考えずぶつけ合った


場所を譲り合うこと 木陰を増やすことも考えずに

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