30話「デート」
土曜日。
今日は長嶺さんと出かける約束をしている。どこに行くかは聞いていない。
待ち合わせ場所は駅前。時刻は11時。長嶺さんが駅の中から出てくる。
「おまたせ!」
「おはよう」
長嶺さんの格好は黒のパーカーに黒のフレアスカート。可愛かった。
「今日はどこに行くんですか?」
「今日はデート!」
「デート?」
「せやで、ウチも相澤のこともっと知りたいし、相澤にもウチのこと知って欲しいから」
たしかに僕は長嶺さんのことをあんまり知らない。告白までされているのに相手のことを知らないって不味いのではないか。今日のこのデートで少しでも長嶺さんのことを知ることが出来るといいな。
「わかりました」
「ほんならまずはショッピングや」
それから僕と長嶺さんはショッピングモールに行き色んなものを見た。長嶺さんから僕の趣味について聞かれたから、漫画や小説を読むのが好きだと教え、オススメと聞かれたので料理対決で頂点目指す本と答えた。
僕も長嶺さんの趣味を聞いてみた。
「ウチはアウトドアが趣味やでこの前のGWで登山したり、あと釣りもやったりするで」
「意外とアクティブですね」
「体動かすのが好きやねん」
たしかに長嶺さんは行動派だ。登山や釣りなどなかなか女子高生が手を出すようなものでは無い。この前麻那辺さんから登山の話を聞き僕もやってみたいとは思ったことがある。
「僕も登山とかは興味がありますね」
「まじか、今度一緒に登らへんか?」
「是非お願いします。初心者なので最初は優しめでお願いします」
「任しときな」
そして僕達はアウトドア用品店に行き、必要なものを見ている。と言っても動きやすい服装と靴があればそこら辺の山になら登れるらしいので見て終わった。
アウトドア用品を見ている内にお昼も結構すぎてお腹が減ってきた。
「お腹すきましたね」
「そやね、お昼にしよか」
僕達はフードコートに行く。結構種類もあるから迷ってしまう。
長嶺さんはたこ焼きにするらしい。僕はハンバーガーにしようかな。2人は買うものが別々になったため、席を決めてから1度別れ買いに行く。
長嶺さんは普通のたこ焼き、僕は照り焼きハンバーガーだ。
「そういえば長嶺さんは料理とかするの?」
「あんまりやらへんな」
「そうなんだ」
「相澤は料理出来るんだよね。私も食べてみたいなー」
「今度食べに来る?」
麻那辺さんとは結構食べているけど長嶺さんには振舞ったことがなかったな。まぁ食べたいって言ってくれてるから誘ってみたけど・・・・・・。
「おう!ありがとな!」
どうやら喜んでくれているようなのでよかった。
「さっそく今日邪魔するわ」
「わかった」
そうして少し周ったあと今日の食材求めてスーパーに来た。前麻那辺さんと来たところだ。
「何食べたいですか?」
「相澤の得意料理はなんや?」
「僕は唐揚げとカレーですかね」
「じゃあ唐揚げで」
「わかりました」
それから食材を買い込み家に帰る。
長嶺さんも帰ること考えて、いつもより早めの夕飯だ。
唐揚げは今日は塩ベースにしてみた。さっぱりしていて美味しいと思う。
「あ、美味しいじゃん」
「それはよかったです」
「料理ができる男子はポイント高いぞ〜、特に私は苦手だから相澤が出来るのは将来的にバッチリじゃん」
「あはは、まぁそうなりますかね。僕的には一緒にキッチンに立つのも魅力的ですけどね」
2人で料理を作って食べさせあう。ベタな展開だけど結構楽しそう。
「なるほどなぁ、相澤は一緒に作りたいんや、それなら覚えるのもやぶさかでは無いな」
「まぁ、これは僕の願望なんで気にしないでください。苦手なら無理しなくてもいいと思いますよ」
これはほんとに願望だ。僕の両親は結構喧嘩も多かった。だから料理を一緒にやれたら楽しくなれるかなって、まぁ料理が出来るからこう思うのであって、出来なければなかなか思うことではないことかもしれない。だからこそ憧れてしまう。
「わかったわ」
それから長嶺さんは夕飯を食べ終え、食休みをして帰って行った。と言ってもちゃんと駅までは送った。さすがに夜だし危ないからね。
今日1日結構楽しかった。今度は登山にも連れてってもらえるし、長嶺さんはやっぱりいい人だ。
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