『バッドシティ』収録エフェクト講評
◆はじめに
新サプリメント『バッドシティ』のエフェクト群について、個人的に面白い、または強力だと思ったものに限り、軽い考察をしていく。
作者の独断と偏見に基づいているため、あくまで参考程度に見てもらえれば幸いである。
◆エンジェルハィロゥ
《死点撃ち》
装甲無視攻撃にのみ組み合わせ可能な攻撃起点。普通に係数が良好。
《スピットファイア》
リミットエフェクト。
性能自体は無難であり、ダイスペナルティもつくが侵蝕率に関係なく使える点が優秀。最大レベルが高いので《マスヴィジョン》に頼らずに高火力を実現できる。
《デスストーカー》
リミットエフェクト。
文字通りの日陰者と化していた隠密アタッカーがついに日の目を浴びた。係数4の火力が、隠密状態になるだけでデメリットもなく発揮できるのは強力。
詳しくはこちらのビルドを参照のこと。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887362017/episodes/1177354054888013996
◆バロール
《ヘヴィギャロップ》
運転アタッカーの革命児。なぜヴィークル関連のエフェクトがバロールに次々追加されるのか、甚だ疑問である。
とりあえず、言いたいことはたいていこちらのビルドに書いてある。
https://kakuyomu.jp/works/1177354054887362017/episodes/1177354054888009444
《過剰収縮》
リミットエフェクト。
ウロボロスの《拡散する影》の亜種。ダブルクロスは固定値が正義なので単純に強いが、経験点効率は正直良くない気がする。バロールのエフェクトが必須である点もやや使いづらい。
《終末の槍》
リミットエフェクト。
HPロスが難点だが、ダメージ効率の良いRCエフェクト。説明文に「射撃攻撃を行う」と書いていないため、別途攻撃起点を用意する必要がある。
◆ブラックドッグ
《オーバーウォッチ》
セットアップ支援。効果は単純なダイス増加だが、対象が範囲(選択)なので経験点効率がすこぶる良い。
シナリオLv回なので、とりあえずで取るだけでも十分仕事をする。
《自動体内式除細動器》
リミットエフェクト。
そもそもタイタスを使わずに戦闘不能回復ができるだけでも優秀だが、蘇生後のHPが1になるので《雷鳴の申し子》が捗る。ピュアであれば《ハードワイヤード》より《ペインエディター》を優先しても良いと思われる。
《サンダーストーム》
リミットエフェクト。
やや特殊な火力バフ。単純に係数が大きく、レベルを上げずに機能する点が魅力。デメリットの関係上、トライブリードではやや使いづらい。
◆ブラム=ストーカー
《赤き猟銃》
最高峰の射撃武器作成エフェクト。
《赤き剣》を経由して《破壊の血》を取得することで、このエフェクトのレベルを抑えたまま《破壊の血》の効果を適用する、という裏技が存在する。これにより、使用時に発生するHPロスを少なくしつつ火力を出すことができる。
《ブラッドスパイク》
HP消費がある代わり、射程と攻撃対象を変更可能になった《災厄の炎》とも言うべきエフェクト。単純に使いやすい。
《追撃の魔弾》
リミットエフェクト。
性能は《ライトスピード》の互換。経験点に余裕があれば取りたい。
◆キュマイラ
《獣王の力》
リミットエフェクト。
エフェクトのテキスト自体を書き換えるという、他に類のないエフェクト。侵蝕率はかさむが、基礎火力が大幅に上昇するので狙う価値は十分にある。
《報復の牙》
リミットエフェクト。
色々と制約のついた《獣王の献身》である。とりあえず取って損はないが、変異暴走も考えると、あちらより優先する理由が特に見当たらない。
まあ『レネゲイズアージ』を使えない環境は珍しくないので、そういう意味では優位性があるとも言える。
《歴戦の獣牙》
リミットエフェクト。
突然の《一角鬼》強化だが、デメリットを考慮しても後述の《死招きの爪》に劣っている。なぜ同じサプリメントに載せたんだ?
◆エグザイル
《メモリーハック》
他人の記憶を掠めとる、実にエグザイルらしいエフェクト。ノイマンの《インスピレーション》とは違い、対決に勝てれば拒否権はない。
これで他人のリバースハンドアウトを見た場合、その情報を勝手に公開できるのかは不明。作者がGMなら止める。
《死招きの爪》
リミットエフェクト。
武器攻撃力が大幅に増加する上に、侵蝕率が上がれば《死神の手》も使える。経験点はかかるが、エグザイルの火力問題がだいたい解決してしまった。
《デビルスレッド》
リミットエフェクト。
発売当初、最も注目されていたエフェクトだが、PC視点では《時の棺》を無効化できるくらいしか旨みがない。ボスが《時の棺》を積むような環境は高経験点環境に限られるので、そういった場合でもなければ経験点の無駄になりがちである。
むしろGMが使い、PCのクソマンチ構築を抑制する意味合いが強いのではないだろうか。
◆ハヌマーン
《風鳴りの爪》
ダメージダイスを振り直せる攻撃起点エフェクト。射撃にも使えるのが地味に優秀。
ダブルクロスは1D10を使うため、振り直しの効果が極めて高い。目の悪いダイスだけを選べるあたり、何ともインチキである。
《大裁断》
素手限定の起点エフェクト。
シーン攻撃みたいな名前の癖に、無難に強いエフェクトなのが笑いを誘う。
《シルフの詩》
リミットエフェクト。
効果自体は非常に強いが、前提エフェクトの最大レベルが高いのが難点。使うとすればトライの支援屋か。
◆モルフェウス
《ソードマスター》
武器を対象とする達成値増加。タイミングの関係上、常備化武器にしか使えないが、係数が大きい。
また、他人にも使えるため何かと汎用性が高い。
《砂塵霊》
リミットエフェクト。
係数4の火力支援。モルフェウスの火力不足については、このエフェクトでほぼ解消された。
《ブラストフォーカス》
リミットエフェクト。
こちらも係数4の火力を誇るが、対象が強制的に単体化してしまうのが厳しい。
◆ノイマン
《即席武器》
武器を必要としない攻撃起点。常備点が乏しいなら視野に入るが、調達技能を上げた方が経験点効率が良いので難しい。
同じ経験点で「決闘者の剣」が取れることを考えると悲しくなるので、使うとすれば射撃か。
《武芸の達人》
非暴走時限定だが、常に達成値をブーストできる。
精神能力値のダイスは増やしづらいので、《コントロールソート》を使うノイマンならば考慮に値する。
《智将の眼力》
リミットエフェクト。
効果的な組み合わせとしてはオルクスの《導きの華》や《天使の階梯》だと思われるが、作者があまり支援屋を組まないので正直わからない。
誰か詳しい人にビルドしてもらいたい。
◆オルクス
《ディストーション》
社会版の《コントロールソート》である。ミドルで使う機会の多い社会能力値で戦闘ができると言えば、そこそこ強そうに聞こえる。
オルクスなので《妖精の手》を使えば自身の命中不安をカバーでき、さらに白兵であれば《バックスタブ》で火力も賄えるため、採用する価値はそれなりにありそうである。
《シングインザレイン》
リミットエフェクト。
強化の方向性としてはまあ良いと思うのだが、それでも《サイレンの魔女》の装甲無視が純粋に強すぎるため、使うかと言われるとやはり微妙。
《反転する運命》
リミットエフェクト。
攻撃をそのまま跳ね返す。ボスの火力が暴れるような環境で握ると強い。何より演出がカッコいい。
◆サラマンダー
《ファイアドライブ》
支援エフェクトなのに難易度が対決、しかもC値低下エフェクトと組み合わせられないといった謎のエフェクト。
自分で殴れとしか言えない。
《氷河の壁》
リミットエフェクト。
使いやすいダメージ軽減エフェクト。前提エフェクトも無理なく最大取得できる。
《煉獄魔神》
リミットエフェクト。
火力上昇はもちろんだが、それ以上に前提エフェクトのデメリットを無効にしてくれる点がありがたい。
◆ソラリス
《増加生産》
これが《オーバーウォッチ》と同じサプリメントに記載されているのはどういうことなのか。
そもそも、自分で殴るソラリスはたいてい《女王の降臨》で《狂戦士》を自分に使うので、本当に存在意義が分からない。
《ツインバースト》
リミットエフェクト。
係数3の火力上昇に加え、なぜかドッジ不能までついている壊れエフェクト。達成値を稼ぐ必要がないので《コンセントレイト》いらずである。
前提エフェクトがシナリオLv回なので、Dロイス「起源種」あたりと相性が良いのではないだろうか。
《ラピッドファクトリー》
リミットエフェクト。
性能は《コズミックインフレーション》と同等。弱くはないのだが、既に《多重生成》を有するソラリスには無用の長物だと思われる。
◆ウロボロス
《シャドーテンタクルス》
突如ウロボロスに現れた、白兵攻撃射程延長エフェクト。侵蝕率増加が軽い上、類似エフェクトに存在するデメリットの類が全く存在しない。露骨に強い。
《巨人の影》
恒例の「ダメージを与えた時」に発動するエフェクト。なんとシーン中、任意のエフェクトのレベルを2も上昇させる。
レベル上限を超えても良いとは書いていないため、考えなしに使っても意味はない。浅く広くエフェクトを取って、状況に応じて使い分けるといった工夫が必要である。
《崩壊のヘリックス》
リミットエフェクト。
シナリオ1回の切り札。普通に強いが、それだけである。《螺旋の悪魔》を暴走起点としてのみ扱っている場合、特に狙うほどの価値はない。
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