第10問 僧侶殺人事件《問題》

 勇者パーティーの一人である僧侶が、宿屋で死んでいるのが発見された。

 その宿に泊まっていたのは勇者パーティーだけであり、部屋の鍵はかかっていなかった。

 犯行が可能だったのは宿屋の主人と勇者パーティーの内の誰かだけだった。


 現場は荒らされており、争った形跡があった。

 僧侶は左手に蛇のモンスターの素材である鱗を持っていた。

 右手では『その前』と床に書き記されており、その場にいる全員が読める言語で書かれていた。


 容疑者は全員で4人であり、人間族である勇者、エルフの魔法使い、ドラゴン族の騎士、宿屋の主人であるドワーフだった。


 それぞれの証言はこうだった。


 日本から召喚された勇者。


「僧侶の周りには11個物が落ちていた。手に持っているものと合わせると12個だった。それ以外の散乱した物はベッドの下に隠されていた。数が何か関係していると思う」


 森の奥が出身の魔法使い。


「即死じゃなかったみたい。争った形跡から分かることは、力の弱い僧侶をわざと甚振っていて、犯人は僧侶に強い恨みを持っていたことが分かるぐらいね」


 卵から生まれた騎士。


「物が沢山落ちていたが、僧侶の近くにあったものが円を描いていた。そのうちの一つを僧侶は握りしめていたが、何故わざわざ僧侶は物で円の形を作っていたのか、私には何も分からなかった」


 出身地が不明の宿屋の主人。


「占星術ぐらいしか知りませんが、どうしてこのことを予測できなかったのかこの宿を経営する身としては悲しい限りです」


 この4人の容疑者の内、犯人は誰でしょう?


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