第10問 会社員絞殺事件《問題》

 飲み会の好きな会社員のIさんが、ネクタイで首を絞められて殺されました。

 殺された現場は会社の喫煙室です。

 喫煙しているIさんは、背後から近寄ってきた何者かによって、ネクタイで絞められて殺されました。

 首を絞められている時に抵抗し、首元には無数のひっかき傷がありました。

 爪の先からは犯人の皮膚は検出されておらず、犯人は手袋をしていたものと警察は推定しました。

 聞き込みをすると、容疑者は四人に絞られました。

 四人は仲が良く、前日も飲み会をしていました。

 仲が良く、それぞれ殺す動機もあるようです。

 その四人の証言を聴きました。


 一人目。凶器のネクタイの持ち主であるAさん。


「俺様はネクタイを盗まれただけで、犯人なんかじゃないんだ!! ロッカーに予備のネクタイ入れて盗まれただけだ!! 俺様を疑うならCを疑えよ!! あいつ、Bより先に現場に入っているところ観たぞ!! 借金しているかなんかで昔から揉めてるんだ、あいつらは!!」


 二人目。第一発見者のBさん。


「え? どうしてすぐに警察を呼ばなかったか? それは、その、まず死んでいるか、生きているか分からなかったからです。僕なんかを疑うよりDさんを疑った方がいいですよ。死体を見たのに冷静過ぎですよ、あの人は」


 三人目。Iさんと死ぬ直前に口論をしていたCさん。


「Bさんが怪しいと思いますね。私が現場に行った時、Bさんはネクタイを手に持っていたんです。ということは、首を絞めていたのはBさんですよ、きっと。現場に先にいた? その時はまだIさん死んでなかったんですよ。もう一度現場に戻ってきたら、そこにはBさんとIさんしかいなかったんです。Bさんが怪しいですよね」


 四人目。警察に通報したDさん。


「Aさんが犯人なんじゃないんですかー? 俺はとにかく早く行動しようと思って、警察に通報しました。それからAさんに救急車を呼ぶように言われたので一応救急車を呼びました。最後に現場に来たのはAさんですけど、あの動揺の仕方は犯人なんじゃないですかねぇ?」


 犯人は誰でしょう?

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