第9話 バイクライフ

無事にツーリングが終わった、その翌日。


美生たち4人はバイク屋に集まった。店主に北海道銘菓のお土産を渡し、礼を述べる。


「ランブレッタもヴェスパも何のトラブルもなかった、素晴らしいわ。」陽が言うと、


「そうでしょう、そうでしょう。」店主がうなずく。


有希は、これからは年に1、2度のロングツーリングだけが楽しみで生きる人間になっちゃいそうです〜、と笑っていう。


佳は、これから教習所に小型二輪教習の申し込みに行くと言っている。後ろに乗っているだけではもったいないと思ったようだ。


「もう、美生は必要ないね。」と陽にからかわれて、


「これからは、自分が美生を後ろに乗せる。」とムキになって反論していた。免許取得後は、美生のヴェスパ100は佳に譲られることが決まっている。


美生は、ぼうっとしていた。まだ心は北海道にあるような気がする。美生がこのツーリングで得たものは、気の合う仲間とずっと一緒に過ごし、北海道の素晴らしい大地を走り回った喜び。


それは、美生の祖父が与えてくれたもの。


バイクを運転する楽しみ。

古いイタリアンバイクに乗る楽しみ。

色々なバイクに乗る楽しみ。

好きな人とタンデムする楽しみ。

知らない土地にツーリングする楽しみ。

ツーリング先で美味しいものを食べる楽しみ。

ロングツーリングで気の合う仲間と過ごす楽しみ。


まだまだ、バイクの楽しみ方はいっぱいある。佳と有希、陽と一緒に探していこう。バイクは一生楽しめる。




(クッチョロ!!4 完)

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