第二十四話『スキルの効果』

「氷の上をサクサク歩ける、靴とか装備しないとつかっちゃいけなかったんだ・・・」

と僕が言う。


遠隔攻撃中心のチームだったら、相手の動きを止めて、射撃するという方法が取れると思うけど、いまのうちのパーティは、『アタッカー』『アタッカー』『スキル使い』『魔弾砲使い』だ。半分は接近戦闘担当だ。


「ユカとシズクの行動力も奪う結果になってる・・・」

と僕がつぶやく。


「大丈夫、私に任せて!」

と魔弾砲使いのおっとりお姉さんハルカが魔弾砲を構えた。


-


「え!?」

僕がその声を聞いて、魔弾砲使いのおっとりお姉さんのハルカの方を見る。


「そうか、魔弾砲は遠隔攻撃だ」

僕がつぶやく。

彼女の武器は、魔弾砲、魔法込めた弾を発射する、遠隔、というよりは中距離で活躍する火力の高い武器だ。


そう、いまこの状況で一人だけ大きな攻撃を与えられるのはおっとりお姉さんのハルカだけだ。


「そう、いくわ」

と魔弾砲使いのおっとりお姉さんのハルカが言いながら、魔弾砲の引き金を引く。


バンッ!!


と大きな音が響く。


「火の魔法弾ね」

と、すべって転んでいる美少女剣士のユカが言う。


「それはいいね」

と僕は言う。

そう、この場面では最高のセレクトと言える。


そして、炎の弾は、着弾した。


ドカァァァァァァン


と言う音と共に煙が巻き上がる


「やったか?」

と僕が言う。


「当たったわ!でも全部は倒せてない!!」

とおっとりお姉さんのハルカが言う。


「一体何体倒せたんだろう」

と僕はつぶやく、ここからでは煙で全部を見ることはできない。


すると、突如

> 『二重跳躍 - ダブルジャンプ』を覚えました。

と脳内に響き渡る。


「これが聞こえるという事は、一体は確実に倒したということか・・・」

と僕が認識する。


この声はそういう使い方も出来るのか、と思った。

相手を倒した瞬間なってくれるのであれば、だけど・・・。


「ということは、まだ2体はいるから気をつけて!」

と僕が言う。そう、最初に集団で現れた時に確認できたのはキツネのモンスターワイルドフォックス3体だった。


「気をつけてって言ったって、このツルツルじゃどうしようもないわよ!ケンジ!」

と美少女剣士のユカが言う。

そう、彼女たちアタッカーはつるつるスベって機動力を奪われていた。


「大丈夫、これだけの派手なスキルだ、そんなに長時間持つとは思えない!」

と僕が言う。


そう、今まで覚えていたのはわりと小粒のスキルだ。

炎の弾が出せる『炎弾 - ファイヤーバレット』、加速できる『加速移動 - アクセルダッシュ』、それに対して、空間そのものを制御できる『氷雪床面 - アイスフロア』は威力がでかすぎる。そんな都合のいいスキルがあるとは思えない


「あ、ほんとだ!」

と美少女剣士のユカが立ち上がって言う。

彼女は床面を見て、氷に覆われてない事を確認した。


「よーっし、これで動き回れるわね!」

と美少女剣士のユカが元気を取り戻す。


「さっ、覚悟しなさい、ワイルドフォックス!」

とユカが剣を構えて走り出した。

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