第十四話『作戦』
「グオォォォォォ」
ミニドラゴンが更に吠える。
二人の攻撃を弾き、自由になったミニドラゴンは両翼を大きく広げた。
その風圧が僕らに届き、煙を巻き上げる。
「まずい!逃げる!」
と僕がつぶやくと同時に、ミニドラゴンはふわりと上空に浮かび上がった。
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「ユカ、無事か?」
と僕は聞く。
「私は無事!でも逃げられちゃう!あと少しだけで倒せそうだったのに!!」
とユカが悔しそうに言う。
わざわざ、これだけ強いミニドラゴンをユカが選んだということは、それなりの報酬があるのだろうな、と思っていた。
気軽に戦うには強すぎる敵だ。
なにか選んだ理由があるのだろう。
「ユカ、まだ諦めるのは速いよ!僕にいい考えがある」
と、僕が言う。
僕はユカ達が戦っている間もずっと考えていた。
ミニドラゴンを倒す方法はないかと。
そして、まだ方法が残っていることに気がついていた。
「いい考え??この状況で??」
とユカが不思議そうに言う。
そう、たしかに結構ピンチ。
もうミニドラゴンは浮かび上がって、今にも逃げてしまいそうだ。
「うん、この状況だからだね。状況をまとめよう。
1.ミニドラゴンは逃げ出さなければいけないぐらい弱っている。
2.ユカはちゃんと狙えればミニドラゴンを倒せるぐらいの攻撃力を持っている。
3.そして僕には、『炎弾 - ファイヤーバレット』と『加速移動 - アクセルダッシュ』がある」
と僕が状況をまとめる。
そう、あまり難しい話ではない。
ピースは揃っていると言える。
「この状況を整理して、しっかりと考えれば、なんとかできる方法があるんだ」
と、僕が説明する。
「なるほど」
と小さい斧使いの美少女シズクがつぶやく。
僕の話を彼女も整理して、方法に気がついたらしい。
そして大きく頷いてこちらをグッと見る。
「ケンジよろしく」
とシズクが言った。
「うん」
と、僕はシズクに答える。
そう、ここまでで実験は終わっている。
たぶん出来るはずだ。
「え?一体どうするの?」
と美少女剣士のユカが僕らに聞く。
「僕とユカであのミニドラゴンを倒すんだ!」
と僕が言う。
「あの、上空に浮かんでいるミニドラゴンを??」
とユカが聞く。
そう、まだミニドラゴンはふわふわと浮いていた。
相当なダメージをうけているのだろう。
あの状態のミニドラゴンであれば、ユカがしっかりと一撃当てることができれば倒せる。
「あの高さには私のジャンプ力じゃ届かないわ!」
とユカが言う。
「そう、だから、僕とユカでやるのさ」
と言いながら僕はドラゴンの方を見た。
「グオォォォォォ」
ミニドラゴンがもう一度吠え、ここから逃げようとしている。
「そうはさせないよ!まずはこれからだ!」
と言いながら僕は、ミニドラゴンに向かって手を伸ばした。
そして僕はスキルを発動した。
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