　スコッチとバーボンのラリーはもはや30点越えのデュースの様相を呈する次元に突入しました。西にも東にも美味い酒はある。ゆえに酒飲み世楽はただボールのように宙を舞うばかり。

　いま、バーボンのスパイクがコートに突き刺さりました！(唐突なバリィボォ！)

　ブッカーズ(2020)

　ヒャッハー！　定価でゲットだぜぇぇっ！

　お高めの有名銘柄、そのお味、噛みしめてゆきましょう‼

　バァァ、ボォンッ‼

○ストレート

　空気を染め変えるハチミツのような粘りのある甘さとバニラ、華やかさのなか黒糖のようなコクと微かな木質感が鼻をくすぐります。

　味わいは香りで挙げた要素にフルーツの甘さを加えてまとめ、胸をギューンと突き抜けていく感じです。度数63％とは思えないほどに素直に飲めるまろやかさがありながら、重厚でストレートなバーボンの風格が感じられます。　　

○加水

　香りは黒糖感が増したように感じます。

　舌にキュッとくる酸味と余韻の甘さのコンビネーションが美味しい。　

○ロック

　華やかながらビターな感覚が楽しめます。

　甘さと苦味、ウッディさが軽やかに踊ります。　

○ハイボール

　香り高いという風情ではありませんが、ゴクリゴクリと飲む度にナッツを想わせる穀物感、焦げと木目の刻まれた樽の内から溢れ出た熱情のようなバーボンの息遣いを感じられます。飲みごたえがあり、美味しいっ！

　この子はあれですね、狩人ですね。

　民族伝統の入れ墨と古傷が刻まれた小柄ながら引き締まった体躯。携えた弓矢と土埃にあおられる外套は先祖から受け継いだ道具です。

　浅黒い肌と邪魔にならないよう括った髪、厚い唇と大きな瞳。普段は水面のように静かな瞳は獲物を見据える瞬間、猛禽のそれに変わります。自然に寄り添った生き方は獣のそれのようでいて、受け継いだ生き方と含蓄ある言葉は実に人間らしい。多くは語らずとも、その言葉と行動がブレることはなく力強いのです。

　そんな人と過ごせば、それは一生忘れることのない体験となることでしょう。　

　妄想が過ぎるぞっ‼

　打ち震える旨さとバーボンという名の誇りを感じられる品ではないかと思います。

　我が盟友アードベックが黄金の鐘で脳を打ち据える衝撃であるなら、このブッカーズは焼けた鉄球で胸を打ち抜けれるような衝撃です。

　こんなものを喰らってなお人生が続くとは幸運！　幸福！　人生は、人は、素晴らしいのだ！

　ブッカーズ

　価格は7000円オーバーで取り扱いは限られていますが、バーボンがお好きな方は一度は試してみてはいかがでしょうか？

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