2021年10月7日

 修学旅行で京都かどこかの古都に行った。

 観光はつつがなく済んだが、移動という段階になって自分のリュックがないことに気づく。大慌てで捜索し、母の連絡によると神速神社にあるのではないかということで大通りを小走りに向かった。途中、交差点でカポエラーの死体が転がっていた。

 神速神社には温泉街があり、後ろ髪を引かれるがとにかくリュックを見つけられるようお祈りすることにした。奮発してお賽銭は1万円だ。本殿の中に入り、御神体の目の前で体を震わせながら深々と二礼二拍手一礼。後ろで妹が順番待ちをしている。無事にリュックは見つかった。


 1944年末の日本で徴兵され、軍人からこれからの訓練について説明を受けていた。この軍人は漢字に弱いのか、竹槍の「槍」を書くのに少し迷っていた。

 配置先は楽な方がいい。どこに配置されるにしろ、生き残らればならない。ぼくはこの時代の人間ではないのだから。同じ境遇の者は皆同じことを考えていることだろう。

 食事は班ごとにまとまって食堂で食べるらしい。

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