ヴォスフォワールの魔書:正統派詠唱入門 ¥3,024

★★★☆☆ スタンダードということですが

天翔けるエティステネス


三章まで読破しましたが、あまり初心者向けではないように思います。四元素理論や基礎発声などについてはさらっと触れる程度で、いちいち他の本で確認しなければなりませんでした。ある程度理論を学んだ人が実践向けの方法論を学ぶための本という印象です。入門書で練習してからまた戻ってきたいです。



★★★★☆ ロングセラーに納得

"勤勉なる"ロンド


とにかく実践での正統派詠唱という部分に特化した解説書。これ一冊でなんでも、というオールラウンドな書物ではないです。


反面、メインテーマである詠唱に関しては図解を入れてわかりやすく解説をしてくれています。コラムで引っかかりやすいポイントを確認できるのも親切。一文字違いの精霊の名前をうっかり間違えて大惨事、なんてあるあるネタ、苦笑いしてしまう人も多いのでは?


星四つとしたのは、著者の方の専門外の分野では時々情報のアップデートができていない箇所があるように思えたからです。顕著なのは多世界解釈の件で、まだ諸説ある分野ですから仕方がないのですが、そろそろツリー型世界観前提もどうなのかなあと思います。新版が出たら買いますので期待。



★★☆☆☆ 現状に寄り添う気風が欲しい

緋色の使徒ヴァージル


筆者はかなりゴリゴリの古典詠唱派である模様。略歴を見ればオーレルヌ首都魔導学院で長年教鞭を取っておられるとのことで、ははあ、と得心した次第。


正直なところ、筆者の提示する技法は現在の状況においてあまり実践的効果的な物とは言い難い。例を挙げると、接尾辞の省略などごく一般的なテクニックもこの書物ではタブーとされており、正統派で破綻のない詠唱を目的としているようだ。


正確・確実、大いに結構。まずは基礎王道を学ぶのも良かろう。しかし、結果的に長ったらしい口上で時間を取られるのは、多忙な現代人にとってかなりのデメリットではなかろうか?


あくまで入り口のベーシックな技法として捉え、ここから各自応用を進めることを若き探求者達には期待したい。得るものはあると考えるので星は2つで。



★★★☆☆ 良くも悪くも十年前の正統派

いざないシェーラ


*良かった点*

・目次の見やすさ・情報へのリーチしやすさ

・図解がわかりやすい

・進行が丁寧

・章ごとのまとめで復習ができる

・詠唱例がかっこいい!(重要)


*悪かった点*

・時々うーん?という古めの記述がある

・P65をはじめとする種族ジョークは少しまずいのでは…

・詠唱例が長い!

・索引が不親切


ロングセラーということでちょこちょこと気になるところがあったかな…。詠唱のかっこよさと長さは正統派たる所以という感じでまあ、バーターですよね。どちらを取るか…。学びたいところは学べたので星三つ。



★☆☆☆☆ 警句に満ちた名著

幻術師ユルドボルグ


まず、全体的に半分以下で済む詠唱をあえて引き伸ばすところに、ゆとりを忘れがちな現代社会への警鐘を感じました。使用語彙もまるで百年前の宮廷貴族のように上品です。また、このご時世にパワハラすれすれの冗談を複数回連発する著者の勇気には目を見張るものがありました。レイアウトは空白を駆使し、ページあたりの情報量を削ることに細心の注意を払っていることが見受けられます。




他の本にした方が良いよ。



★★★★★ これが詠唱だ!

雷鳴のオルスティングス


自分にはベストマッチでした!


詠唱、こちらでは最近流行らない感じがありますが、やはり魔術は戦場の華。朗々たる所作に憧れて魔術師になった身としては!


長くていいんです!

物々しくていいんです!

格好いいからいいんです!


そんな思いに応えてくれた良著でした。

実践が楽しみです!


【追記・麦の月十四日】

初実戦で見事牙ネズミを倒すことに成功しました! 嬉しいです!!


詠唱最高!!

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