第732話 迷宮(ダンジョン)!
ルーカス達と別れた俺は、冒険者ギルドに寄って、指名クエストが完了した事を伝える。
クエスト発注は王族なので、特に証明書とかは無いが、報告だけは必要だ。
思っていたより人が多い。
それに受付に人が殺到していた。
受付嬢は、俺を見ると誰かと連絡を取っていた。
多分、相手はジラールだろう。
案の定、俺達が受付に並んでいると声を掛けられて、グラマスの部屋へと案内された。
グラマスの部屋にはジラールとヘレンが居た。
「無事、戻ってこれたようだな」
「まぁ、とりあえずな。それより、何かあったのか?」
「あぁ、ちょっとな」
「グラマス。タクト殿に相談されては、どうですか?」
「そうだな……」
どうやら、
地上でレベルアップするには、効率が悪い。
魔物と遭遇する確率は
それに、死亡した冒険者の武器や、防具を手に入れる事も出来る。
しかし、
深く潜れば潜る程、敵も強くなる。
極稀に、レアアイテムを入手する事も出来る。
そして、
三階層くらいであれば、ランクAの冒険者でも単独攻略可能だ。
しかし、
三階層以上と言うのは、それ以上確認する事が出来ないからだ。
今回、騒ぎになっているのは、発見されたばかりの
基本、
そして三階層で、その
今回、騒ぎになっているのは、難易度を低めに設定した
「単純に難易度を間違えたんじゃないのか?」
「確かに、その可能性もある」
「しかし、ギルドとしても再調査として、ランクAの冒険者四人のパーティーに依頼をした」
「そのパーティーが戻って来ていないという事か?」
「そういう事だ」
俺が
最初は、
そして、
「そのパーティーが、たまたま弱かったとかは無いのか?」
「それは、ありません」
ヘレンが否定する。
何度も、ダンジョン確認を依頼しているパーティーの一つなので、弱いという事は無いそうだ。
「それ、俺で無くてもいいんじゃないか?」
「まぁ、そうだが……」
「俺は今、指名クエストを終えたところなんだよ」
「それは分かっている」
ジラールも考えていた。
「受けてもいいが、知りたい情報を教えて欲しい」
「その情報とは、何でしょうか?」
ヘレンが警戒しながら答える。
俺は、冒険者だったプラウディアと、デニーロについての情報を要求した。
「レグナム関係か……」
「知っているのか?」
「あぁ、噂だけはな。レグナムの師匠であるプラウディアは、ランクAの冒険者だし、デニーロもランクAで、いずれランクSになるだろうと噂されていた」
「そうなのか」
「あぁ、しかしプラウディアは突然、冒険者を引退した。その後すぐに、デニーロもクエストを受注することなかったので、規定により冒険者を剥奪された」
ジラールが二人の事を教えてくれた。
「もっとも、俺がグラマスになる前の話だ。それだけ、二人は有名だったという事だ」
「そうか。そういえば、レグナムの弟子の事は知っているか?」
「レグナムの弟子?」
「ローレーンだ」
俺はローレーンが、冒険者登録しているかを確認する。
ローレーンは冒険者登録をしていなかった。
レグナムと違い、規定日数内にクエストをこなす事が困難なので、冒険者登録をしていなかったのだろう。
「その調査を受けるが、ランクに関係なく人選は俺の一存でいいか?」
「どういう事だ?」
俺は、レグナムと冒険者登録をしていないローレーンの三人で調査をする事を伝える。
「そのローレーンという娘は強いのか?」
「実力で言えば、ランクBの上位くらいだろう。それに、オーフェン帝国皇帝の娘だ」
「はっ?」
「んっ?」
「お前、何を言っているか分かっているのか! 万が一の事があれば、国政問題に発展するだろう」
「いや、それは大丈夫だろう」
「駄目だ。到底、受け入れられない」
「しかし、冒険者は誰でもなれるんだろう」
「そうだが……実力がランクBだとしても、それはタクトの主観だろう」
「確かにな……」
「まぁ、
「依頼が来ない方が幸せだという事だな」
「その通りだ」
結局、プラウディアとデニーロの情報は、少ししか得る事は出来なかった。
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