もし俺が異世界転生したら ~ハーレムは要らないです~
きたまくら
異世界転生するまで
第1話 とりあえず死ぬ
?:63番の方~。4番窓口へどうぞ~
俺の番だ。おどおどしながらカウンターに行く。
俺:どうも……
?:番号札お預かりします。○○さん、でお間違いないですよね
俺:はい
?:あなたは本日、強風により駅のガラスが落下し、天寿を全うする前に亡くなってしまったんです。ご愁傷様です。
俺:あ~。そうなんですね。だから見覚えない役所みたいなところにいるんだ
?:はい~。それでですね、天寿を全うする前に亡くなってしまうというのはこちらの管理ミスという面もございますので、
俺:あ、異世界転生ですか?
?:ご存じですか?
俺:まぁ、なんとなく。本とかで読んだりしたので
?:そうなんです。最初は小規模だったんですが、最近の方はみんな異世界転生が好きということで、天国や地獄に行った方の中にも『異世界が良かったなー』なんて言われることもありますので、こうした形で効率化して異世界への斡旋を行っております。わたくし、担当のモリタと申します。よろしくお願いします。
俺:は、はぁ。 (なんかイメージと違うな)
モリタ:ここまでで質問ありますか?
俺:あのー、異世界に転生するってチート能力とかあるじゃないですか、あれってどうなるんですか?
モリタ:もちろんございますよー。
俺:あ、そうなんですかー。良かったー俺ホント運動とかケンカとか得意じゃなくて、しかもインドア派なんで、なかったら野垂れ児ぬしかないもんな。どんなのですか?
モリタ:自由に決められます
俺:自由?
モリタ:はい。全知全能とか、時間停止とか、透明になるっていうのも可能ですし、あとは『絶対自分に攻撃が当たらない』とか『あらゆるものを貫通する』みたいな概念系の能力も人気ですね。設定次第でチート能力の複数所持も可能です。
俺:設定次第とは?
モリタ:これからあなたにこちらの用紙を記入していただいて、その結果をもとに、所持できるチート能力の数が決まります。
俺:あー、そういう……
モリタ:たとえば、こちらのスタートの欄“出生から”をお選びいただくとチート能力は無し、“放浪して”をお選びいただくとチート能力は+1です。出生からですと世界の事情に必然的に詳しいし、そもそも前世の記憶持って出生から始めること自体がチートですので。
俺:確かにそうかも
モリタ:では記入を終えたらまた窓口へ
俺:はい
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