番外編1「二人、年を跨いで電話して。」
俺、自分から誘う。
今日は12月30日。
冬休みだし、暇だし、何より会いたいから、桜ちゃんを誘って、喫茶店に来てみた。
ちなみに、あの「お礼」で行ったところではなく、落ち着いた感じのところ。
初めの頃は電話するのも、それどころかメールすら緊張してたんだけど、今となっては慣れた。
今の俺は紛うことなきリア充だ。
そんな俺は今日、桜ちゃんを初詣に誘おうかと思っている。
誘うのが遅くなったのは、「初詣は親と行くのでは」と悩んだから。
でも誘わないと始まらないし。
「あ、そうそう、桜ちゃん。」
「なんですか、祐樹くん。」
そういえば、名前の呼び方が変わってたんだった。
付き合い始めて一ヶ月くらいで不意打ちに。
相変わらずグイグイ攻めてくる。
……俺も「さーちゃん」とか呼んだ方が良いんだろうか。
「初詣、一緒に行かない?予定空いてれば、だけど……」
「……すみません。私、毎年お正月はおばあちゃんの家に行くんです。」
がくっ。ダメか。
いや、理由が理由だから仕方ないんだけどさ……
お正月は家で一人寂しくゴロゴロするか……
と思っていると、桜ちゃんが救いの手を差し伸べてきた。
「年が明けるタイミングで電話とか、どうですか?」
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