第494話

「阿久津 凶一は……」

 メロンが表情を曇らせてたずねた。同性なので余計、痛みが解るのだろう。

「ゆう子様の部屋へ乱暴しようと押し入って来たのですねぇ……!?」


「……」一瞬の間があった。

 重苦しいような沈黙が部屋を支配した。やがて観念した小島ゆう子は胸中を告白した。

「はい…… 部屋へ入ろうとすると…… 自分アイツの部屋から飛び出して来た阿久津凶一は、強引に私の部屋へ入ってきて……」

 思い返すのが辛そうだ。






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