第72話 ダイイング メッセージ

「なるほど……」

 冨田は、何度も頷いた。


「なァ~、刑事さん! 納得すンなァ~ー!!

 ボクは、真犯人じゃない!!」


「ッで…、動機は怨恨ッて事かしら……!?」

 今度は、リオが訊いた。


 即座に多羅尾は頷き、

「ええ…、そうですね!

 中学ン時からいじめられて……、それは、酷い苛めでした!

 好きな女子の前で言えないような恥辱はじをかかされたりねェ~!!

 プライドはズタズタだよなァ~ー!?」

 多羅尾はボクを見て笑った。 

「うゥ……」

 確かに、それは認めよう……

 だが、しかし……

 真犯人はボクじゃない。


 断じて……ボクじゃないんだ。


「ッで、高校まで押し掛けて来た阿玖真あくまと揉み合いになって、あのトイレで刺してしまった……!!」

「な……!!」勝手な妄想ことを……


「そして、阿玖真カレは息を引き取る前に、ダイイング メッセージとして【ソー】と書きのこし、亡くなってしまったンです……!!」

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