第66話 阿玖真《あくま》

「被害者の阿玖真あくま痔朗は、この学校の生徒じゃないそうですね!!」

 冨田が優しい笑顔で訊いた。


「ええ、まァ~……」

 教師の武藤吐夢は渋い顔で頷いた。


 多羅尾が立ち上がって、

阿玖真アイツとは中学ン時、一緒でした!!

 手の付けられないヤンキーで、いじめられて泣かされたヤツもたくさんいますよ!!」

 チラッとボクを見てから、警察に事情を説明した。


「……」思わず、ボクは視線を逸らせた。

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