花より華なれっ‼︎
一花カナウ・ただふみ
プロローグ
第1話
真新しい茶色のブレザー、真っ白なブラウスに映える赤いリボン。モスグリーンを基調としたチェックのスカートは膝が出る。黒いオーバーニーとの相性は悪くない。
(って、待て……待て待て俺っ!)
姿見に映る女子生徒姿の自分を見て、俺は戦慄した。
(何故だ、何故、どうしてこうなったっ!?)
今からでも出直せる。俺は部屋からの脱走を試みてドアを開ける。しかしその先に立つ人物にあっさりと組み伏せられた。
「そろそろ観念しろ、葵(あおい)。抗ったところで、もう始まったものはしょうがないだろう?」
俺を押し倒して拘束しながら声を掛けてきた人物――真っ黒でさらさらなストレートの髪をポニーテールにしている美少女、いや、その外見は詐欺で、中身は紛うこと無き男であるルームメイト――に不満な気持ちのこもった視線を送る。
「だっておかしいだろっ!? ここは女子高なんだぞっ!」
どうしてこういうことになったのか。
それは一ヶ月ほど前、春の訪れを感じ始めていた三月の頭に遡る――。
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