第498話 はい、ねぎま

 次に向かったのはティモテ、トワ、シロガネの陣取る一角だった。


「お待ちしておりましたマナシロさん、まずはどうぞ一献いっこん

「ありがとうティモテ、いただくよ」


 ティモテにがれたお酒を俺はグイッと飲み干した。

 気持よくお酒が飲めるグルメ系S級チート『酒は飲んでも呑まれるな』があるので、悪酔いせずに気持ちよくいくらでも飲めるのだ。


 ちなみにだけどシュヴァインシュタイガー帝国に飲酒年齢に関する法律はないと前にウヅキが言っていたし、そもそも俺は日本で32年生きたからお酒を飲んでも大丈夫なのだ。


 そうでなくても今日も今日とて、ティモテは露出過多&ピッチリなえちえちシスター服である。

 そんなえっちなコスチュームに身を包んだ女の子に甲斐甲斐しくお酌してもらって、気分よく飲めない酒などない!


 さらにいでもらった2杯目も俺は一気に飲み干した。


「《神滅覇王しんめつはおう》、とてもよい飲みっぷりですね。トワからも一杯どうぞ」

「ありがとう――くはぁ!」

 トワに注がれた分もグイッと飲み干してみせる。

 そこにまたティモテがトクトクといでくれて。


 お酌するために身を乗り出して前かがみになったことで、大きく開いた胸元からティモテの形のいい谷間がしっかりと見えちゃっていて、


「うむうむ、良きかな良きかな」

 俺はとってもご満悦なのだった。


 そんな中で、

「もぐもぐ……マナシロ・セーヤ、よく来たのだ……もぐもぐ……ここのご飯は……もぐもぐ……すっごく美味しいのだ! がう! もぐもぐもぐ……」

 シロガネは食べることに一生懸命で、俺にはまったく興味がないみたいだった。


 いつもツンツンしててご飯の時はもぐもぐしている、ツンもぐだった。


 特に焼き鳥が気に入ったのか、シロガネの前のお皿には食べ終えた後の串が大量に載っていた。


「こんなジューシーなレバーは……もぐもぐ……初めてなのだ……ハツも……もぐもぐもぐ……臭みがなくて柔らかいのだ……んぐんぐ……」


「おいおいシロガネ、お行儀が悪いぞ? 食べるかしゃべるかどっちかにしろよな?」

「ならしゃべらずに美味しいご飯を食べるのだ、もぐもぐもぐ……もぐもぐもぐもぐ……」


 それっきり食べるのに徹したシロガネは、俺の方を見ることすらしなくなった。


「あ、はい。それでいいと思いますです……」


 目を輝かせて、それはもう美味しそうに食べているシロガネ。

 いいんだよ、いいんだけどね?


 だって俺は正しい教育をしたのだ。

 料理の総責任者ウヅキも、シロガネの食べっぷりを見て喜んでいることだろう。


 悲しいのは、まったく興味ないと言われ完全スルーされちゃっている俺だけさ……はははっ。


「うにゅ、まなしー、げんきだす。はい、ねぎま」

 ハヅキにねぎまを渡されて励まされた俺。


「うん、おいしい……心に染み入ってくるよ……さすがウヅキ、絶妙の焼き加減だ……」


 ハヅキとトワが一緒にご飯を食べてお話したそうだったので、俺はいったんここでハヅキをリリースすると次の女の子たちの場所へと向かった。

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