第486話 極伝 覇王の書!
思わず口をついて出てしまった問いかけに、答えてくれたのは巫女エルフちゃんだった。
「これは
「断じてそれはない」
あまりの酷すぎる回答に、即答で全否定してしまった俺だった。
いやだってさすがにそれはないでしょ?
「でも昔のはおー様が残した、エルフ村秘伝の文献『
しかし敬愛する俺に強く否定された巫女エルフちゃんはというと、思いもよらなかったのか一気にシュンとしてしまった。
「え、うそ!? それマジ話だったの? ご、ごめんね、そうとは知らず……」
それを見て、事実を事実と受け入れ慌ててごめんなさいした俺。
だって巫女エルフちゃんが俺に嘘をつくはずがないからね。
「いえいえ、そーゆーこともありますからー」
しかしそんな俺を巫女エルフちゃんは笑って許してくれたのだった。
周りにいい子ばっかりいて、俺はとっても幸せです。
「ううっ、巫女エルフちゃんはいつも優しいなぁ……」
「巫女エルフですからー」
うん、この返しもすごく懐かしいな。
俺は本当の本当に、現実世界に帰ってきたんだなって。
そのことを実感できたよ。
……全裸で縛られて三角木馬にまたがってムチで打たれているけどね。
っていうか、おいこら昔の《
お前なに自分の変態性癖を秘伝の書に書き残してんだよ!?
『
真性のドMかよ!?
しかもあえてそれを書いて残す露出癖もあるときたもんだ。
マジで少しは隠そうとしろよな!?
だいたい俺はどっちかって言うと「
――と、
「お待たせしましたの」
そんなハレンチ大人空間が
――入ってきたんだけど、
「わたくしも準備万端ですわ」
そう言って胸を張った(しかしぺたんこのままである)準備万端(自称です)のサーシャの格好をまずは説明させてほしい。
顔は
サーシャのさらさらの金髪に鮮やかな赤が映えて、とてもよく似合っている(主に変態的な意味で)。
小学校高学年とほぼ同等かそれ以下の凹凸のない幼い裸体を包むのは、大変高級感あふれるブラックレザーのボンテージだ。
際どくせりあがる股間のラインなど隠す面積がたいへん少なく、一歩間違えれば下品になるギリギリ限界を攻めながら、しかし全体で見るとハイソな上流階級の
サーシャの透き通るような白い肌とのコントラストが、とても目に鮮やかである。
足を覆うのはハイヒールと一体化した、膝上まであるロングブーツ。
あれで踏まれるとすごく痛そう。
ご丁寧に手には赤色のロウソク(状況から察するに安全な低温ロウソクと思われる)まで持っていた。
どこからどう見てもその道の女王様です、ありがとうございました。
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