第488話 なぜか三角木馬にダイブ
とまぁそんなこんなでとりあえずは無事に、女王様から
「うにゅ、まなしー、おきた?」
「《
「起きたのだ、よかったのだ」
こ、この声はハヅキとトワとシロガネ!?
なんと今度は騒ぎを聞きつけたのか、ちびっ子軍団がやってきちゃったのだ!
いけない!
これはいけないぞ!
全裸で縛られ三角木馬にまたがっているなどという、あられもない姿を幼女たちに見せてしまっては、情操教育に
加えて俺に対するハヅキやトワの評価と信頼が地に落ちることも、想像に
「うにゅ、まなしー、へんたい」
「人の趣味にケチをつける気はありませんが、全裸で縛られたあげく三角木馬にライドするのは見るに堪えないので、できれば私の視界に映らない場所でお願いします」
「近寄るな、この変態、がう!!」
とか言われてしまうのは確定的に明らか……!
一難去ってまた一難。
前門の虎、後門の狼だ。
おっと三角木馬でお尻が大変なことなってるから「後門」の狼とか言ったわけじゃないからな!
邪推はやめてくれよな!
それにしても、
「くぅっ! 神は、神はなんという過酷な運命を、俺に
だがしかし!
幸いなことに、まだドアは開かれてはいなかった。
ちびっ子軍団はまだギリギリ扉一枚隔てた向こう側にいるのだ!
まだ間に合う!
あのドアが開く前に、可及的速やかにこの現状から脱出しなければ――!
俺がチートを使って縄抜けし、三角木馬から飛び降りる作戦(全裸なのはもう諦めよう!)を決行しようとした、その直前だった――!
「はわわっ――!?」
なぜか突然、急に足をもつれさせたウヅキがコケっとこけると、三角木馬にまたがっている俺にダイブするように覆いかぶさってきたのは――!
気が付くとラブコメ系A級チート『なぜか三角木馬にダイブ』が発動していた。
予期せぬアクシデントが起こって三角木馬にダイブしてしまう、という効果のチートである。
……ねぇ異世界転生局の皆さん?
俺はあなたたちがこのチートにGoサインを出したことが、心底理解できないんだけど?
異世界転生するにあたって、こんな条件が限定されすぎた上に使い道が限りなくゼロに近いチートを誰が選ぶの?
三角木馬に乗って変態紳士淑女がうごめく戦場を華麗に駆け抜けるSM系の異世界でもあるわけ?
仮にあったとしても、このチートはさっぱり役に立たなさそうなんだけど?
などと俺の疑惑と疑念は尽きなかったんだけど、とりあえずそれらはいったん脇に置いておいてだ。
ウヅキにダイブされちゃった俺は、腰のあたりをがばっとウヅキに抱き抱えられるような形になっていた。
なんせ後ろ手に縛られて、三角木馬にまたがっているからね。
今の俺は抱き着かれたまま身動きがとれないのである。
ウヅキの温かさと柔らかさが俺の裸身にじかに感じられて、そこはまぁ幸せだったんだけれど、
「くっ、このままではハヅキとトワとシロガネが部屋に入ってきてしまう――!」
ウヅキが俺を掴んで離さないせいで、今の俺はどうしても身動きが取れない――!
しかもなんと言うことだろうか!
「す、すみませんセーヤさん、わたしどんくさくて……」
なんて言って目をぱちくりしてるウヅキの顔は、ちょうど俺の股間の真ん前にあったのだ――!
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