第438話 いつでもえっちオッケー
「えっと……はい? ごめん、なんかよく聞こえなかったんだけど……」
今ケンセーは何を言ったんだ?
聞き間違い……だよな?
「セーヤくんはこれからもチート学園で過ごすの、私と一緒にね」
聞き間違えじゃ、ない……?
「いや、あの、いったい何を言ってるんだ? 俺が現実世界に帰る感じの話の流れじゃなかったっけ?」
なのにケンセー、お前は何を言ってるんだ!?
「なにって、だって私はセーヤくんが大好きなんだもん。大好きで大好きでたまらないんだもん」
「うんそれはほんと、すごくすごーく嬉しいんだけど……」
ケンセーみたいな可愛い子に好き好き言われて嫌な気分になんてなるわけがない。
だけど――、
「大好きなセーヤくんの隣の席を――欲しくて欲しくてたまらなかったプレミアチケットの特等席を手に入れちゃったんだよ? なのにそれをみすみす手放すなんて考えられなくない?」
「いや、え……?」
「私はセーヤくんが好き、好き、好き! 好き好き好き好き好き好き好き好き大好きなの!」
こみ上げる想いをこらえきれないって感じで、息つく暇もなく「好き」を連発するケンセー。
「おっけー、わかった。でもちょっと落ち着けケンセー、変に熱くなってるぞ? 俺としては本当にその気持ちは嬉しいんだけどさ? それでも俺は現実世界に帰らないといけないんだ」
どうにかなだめすかしてクールダウンさせようとする俺に、ケンセーが唐突に言った。
「ねぇ、セーヤくんは女の子とえっちしたいんだよね? 私、セーヤくんとならいつでもえっちオッケーだよ?」
「えっ!? いつでもえっちオッケー!? マジでっ!?」
とまぁそれに思わず過敏に反応してしまったのは、しかしこれは致し方ないことではなかろうか?
だってさ!?
『いつでもえっちオッケー』などという激つよフレーズが本当にあったんだよ!?
イングリッシュならエニタイム・エッチ・イズ・オッケーだよ!?
童貞がこの『いつでもえっちオッケー』などという超スーパーウルトラパワーフレーズに抗える局面とかあるわけないでしょっ!?
「当たり前じゃん。だって私はセーヤくんのことが大大大大大好きなんだもん」
「そ、そうか……大好きだからいつでもえっちオッケーか……」
いつでもえっちオッケー、いつでもえっちオッケーか……。
はぁはぁ……ふぅふぅ……。
「なんなら今からでもいいんだよ? えへっ、今から二人で大人の階段を上っちゃう? 私そーゆうの初めてだから優しくしてね」
「ご、ごくりーぬ……」
これはつまりガチでマジな感じですね……!?
後は流れでえっちしちゃう感じですね!?
ちょっと頬を染めながら恥ずかしそうにはにかむケンセーの上目づかいを、ばっさり切り捨てられる童貞がいるというのか!
いたとしたら、そんな奴は決して童貞ではない!
「私だけじゃないよ。チート学園の女の子はみんなセーヤくんが大好きだから、みんなセーヤくんとえっちしたいって思ってるよ? ここに居れば毎日えっちし放題だね!」
「え、ええええっちし放題……!? だと……!? しかもみんなと!? なんだそれは!? さては日本語じゃないな!?」
少なくとも俺の心の辞書にそのような神なる言語は記載されていないぞ!?
そしてそんな神にのみ許された特権を、童貞であるこの俺に与えようというのか!?
俺はこれから神の御座を
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