第75話 《神焉の黒き炎》―ラグナロクー
「今から俺が、ドラゴンのプライドごと、そいつを完膚なきまでに捻りつぶしてやるからよ――!」
俺の発した挑発――これは俺の中の《
《
奥の手を隠したままの相手に
そしてその
「――まぁ、必殺技の撃ち合いは俺も嫌いじゃないんだけどさ」
ただまぁ、あれだ。
「これだけ派手に
ほんのわずか、一抹の不安を覚えた俺に、
――誰に物を云っている?
そんな不敵に笑う声が、聞こえた気がした――。
そして。
挑発に乗って――、いや乗るしかない《
《
「昔一度だけ見に行ったことがあるんだけど、あの時見た渦潮を黒く禍々しくしたみたいだな……」
なんてことをふっと思った。
この最終局面ですらそんな他愛もないことを思えてしまえるのが、全てを捻じ伏せ従えてきた《
そして警戒、注意、索敵、防御――、その他もろもろ余計なものを全てオミットして、渦の中心でただただ力を溜めることだけに没入した《
今なら弱点である
「でもま、それじゃ意味がないよな。ああ、意味がない――」
俺の中の《
「これがお前の『固有神聖』だな? 実にいいじゃないか、神話を
《
俺の心が、負けるなんて微塵も考えていない
「全てを
そう高々と宣言すると、俺は神剣《
いわゆる八相の構えだ。
そして――、
「『固有神聖』《
俺の中で無限連鎖の黄金の力を生み出す
それを全開放し、その全ての力を余すことなく神剣《
「おおおおおぉぉぉぉぉぉ――――――っっ!」
裂帛の気合いとともに、臨界ギリギリまで高まった《
その全てを注ぎ込まれた神剣《
「『古き世界は
それは例えるなら、黄金の火柱。
もはや真昼のごとく明々と辺りを照らす神剣《
「『
同時に《
首を大きく一度真上に向けると、叩きつけるように一気に振りおろし――、
「グォォォォォォオオオオオオオオオオ―――――――ッッッッ!!」
溜めに溜めた破滅の力を、大咆哮とともに俺へと向かって解き放った――!
射線上の数十キロを
そんなケタ違いの一撃を前にしても――、しかし今の俺に臆する気持ちは微塵も存在しないのだった。
ただ俺の中にあるのは、
俺の欲する未来、それはもちろん――!
「可愛い女の子にモテモテの、異世界ハーレムマスターに――、俺は、なる!!」
その強烈な情動に突き動かされるように――、
「我が一刀を受けてみよ、《
俺は極限にまで密度を高めた光り輝く黄金の剣を、振り下ろした――!
「『光、あれ――、《
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