ぱすてるからーの日々を送らせてください。

1日目 早く帰りたいのだが。

　運転免許合宿といえば、私の周りであると普遍的には高校三年生の受験終了後にこぞって取りに行き、花の大学ライフか新入社員となった頃には自動車に乗っているというのが定説である。

　定説というからには根拠があり、大学にて私の友人連中は九割方既に免許を取得しているのだった。

　しかし、私はその高校三年生の最後を担任教諭から薦められた税務署のバイトに潰し、その後も大学の長期休みはほとんど同人誌の原稿に追われているからという理由で躱し続け、大学四年生の十月という今の今までなにも行動を起こしてこなかった。

　それに来年四月からは花の東京ライフである。電車通勤だ。車が必需品である田舎・静岡からはオサラバである。ライター万歳。

　とはいったものの、卒業旅行だなんだかんだで周りからの「免許取れよ」という目線が強くなった。そして四年生の後期となれば単位も足りている。あとは卒論だけだ。正直言えば卒論なんてものも無くなればいいのだが、それはさておき。

　つまり、私は圧力に屈したのである。圧力に屈した結果、今私はこのテキストを自動車学校の寮内でポメラを用いて打っている。ポメラを購入してからまだ半月ちょっとだが、実はこの合宿用に導入したのだった。これで合宿中も原稿が書ける！　という思いと同時に、いや合宿まで行って仕事したくないですよアハハとも考えていた。

　で、現在。私が何を考えているのかというと。

　仕事が現実逃避になるとはね。あははは。

　普段住んでいる静岡市から遠く離れた某県某市に訪れている私は、午後一で始まった講義と二コマ連続で行われた実車教習で既に疲弊してしまったのだ。というよりメンタルがやばい。正直、失恋よりきつい。

　いや、実車教習の一コマ目までは良かったのだ。問題はラスト。関西弁の教官による「見て覚えろ」方式の教習は、今日初めて自動車を運転している私にはとうてい理解ができないものだった。横文字を並べるな。そしてそんな手の動きをあとから真似ろとか言われても理解が追いつくはずがない。最初くらい手取り足取り教えてくれ。そもそも私はそういう体育会系のノリが苦手なのである！

　と、運転免許合宿の幻想を打ち砕かれた私は寮に帰り、自動車学校内では電波が悪くて返せなかった仕事のメールを返信し、このテキストを打っているというわけだ。なお、ここは男子寮なのでキャッキャウフフな展開は皆無です。更にテレビは地方の地上波しか映らないから、深夜アニメなんて『BANANA FISH』の２クール目かクール遅れの『深夜！天才バカボン』しか観られないのである。つらい。

　そもそも何故このタイミングで運転免許合宿に行こうと思ってしまったのか。もちろんそれは前述した圧力に屈したとかそういうのもある。だが、それ以外に現役大学生ラノベ作家である悠寐ナギ先生が運転免許合宿に行っていたときにレポートをカクヨムに上げていたことが理由の一端も担っているのである。「ナギ先生羨ましい。こんなリア充っぽい展開、俺も欲しい」と思っちゃったんですよね、俺は愚かだから。愚かなばかりに申し込んでしまったけど、もう教官にメンタルやられてボロボロだよ！　メンタルがボロボロな一因としては、昨日深夜に某ツイキャスにお邪魔して夜更かししたことも挙げられるのだけれど、それよりも教官のインパクトがすごくてすごくて。

　とはいえ、まだ初日なのである。これが二週間も続くんですよ。辛いですよ。正直、今の私にこんなに文字数打つ余裕があるとは思わなかったよね。カクヨムに運転免許合宿レポを上げるラノベ界隈第二号として今後もどなたかに続いて欲しい。決して地獄に誘っているとかではなく。

　ところで、自動車学校の校舎はすこぶる電波が悪いのでLINEもTwitterもろくにできません。加えて寮の近くにも書店がないので、娯楽がほぼ壊滅です。

　なので、持ってきた積み本を崩したり、カクヨムに駄文を連載したりといういつもより活動が縮小傾向になりますが（ほんとこの期間中に仕事が一つ発表されるはずなのにさ！　不本意だね！）、引き続きご支援賜れればと思います。なんのご支援だ。

　では、以下駄文。

「久しぶりにブログ？　というか毎日更新をはじめるっていうのにえらく辛気くさく始めちゃいましたね、センパイ」

　いや、ほら。メンタルやられているし仕方ないんだよ。

「だからってこうやってほぼ愚痴とかばかり書くんですか？　それ以外に書くことないんですか？」

　今日、合宿に忙殺されていてそれ以外の記憶なんて映画『ドラえもん』の新作が辻村深月さんだっていうことで泣いたことくらいしかないぞ。

「えぇ……いくら名誉ドラえもんファンの辻村先生が脚本担当だから寮で泣くとか無いですよセンパイ。気持ち悪いです」

　いや、仕方ないじゃん？　涙が出ちゃったものは仕方が無い。

「そーゆーこと言ってると、センパイの涙の価値、下がりますよ？」

　もともとTwitterで失恋のプロ扱いされている時点で価値なんて無いと思うんですけども。

「あー、ほんとこのセンパイ、向上心無いクズですね。失恋のプロとかに甘んじているとか無いです」

　じゃあ失恋のプロを脱して、成就する未来があるとでも？

「なんですか口説いてるんですかごめんなさいセンパイのことそういう目では見てなかったですというかナチュラルにそういう文句口に出すの止めてもらっていいですかすごく寒気がするんですけどいやそういう暖めてやろうかとかいらないんですまじむりですごめんなさい」

　……ところで、ほんとにポメラDM200の書き心地いいので、作家のみなさんも買いませんか？　こんなにすらすら書けるとはマジで思いませんでしたよ……？