#40 この橋はタルベ・カラズ

 タルベ・カラズ橋(Tolve kars)の物語。

 むかしタルベという都市が戦火に見舞われた際、タルベ市民は川の対岸の都市カラズへ逃れようとした。だが、当時タルベとカラズを繋ぐ橋はなく、戦の烈しさのため舟を出すこともできなかった。

 その時、タルベの人々が戦火に飲まれようとする様子を対岸から見ていたカラズ市民たちが次々と川へ飛び込み、肩を組み合って、川に人間の橋をかけた。

 その橋を渡ることで多くのタルベ市民の生命が助かった。

 このときの友情の証として、タルベ市により戦後かけられた堅牢な石造橋には、両市の名前が付くこととなった。


「今度は、我々が貴方たちへ橋をかける番だ」

               ――タルベ市長・開通式演説より

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