第11話 花の名

始まりの花。




私が植えた花の名だ。




これから私は世界を始める。




彼とともに、花とともに。




そのためには私の呪いを解かなければならない。




彼とならそれができる。




私は今まで生きていない。




死に見放され生きてはいなかった。




彼の事を愛する死が、




私の事も愛してくれるように。




私は彼を受け入れる。




私のどこにも彼を嫌がる気持ちはない。




私は彼と生きていく。




それは彼しかいないからではない。




しょうがなくでもない。




彼がいい。




そう思えたから。




でも、彼しかいなかったからそう思ったのだとしても別にいい。




彼がいいと心からそう思えたから。




私は死にたい。




彼とともに。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る