オオカミ先生による、二次創作のススメ

七戸寧子 / 栗饅頭

プロローグ

 ロッジ『アリツカ』。ジャパリパークに存在する、ヒトの遺産である建物をアリツカゲラのフレンズが再利用した施設。


 時々、そこに通りがかったフレンズが休憩や宿泊に利用するのだが、常にそこで生活をするようなフレンズ・・・言わば常連の客が存在する。


「せんせぇー!新作の展開、こういうのはどうですか!先生!」


 独特な柄のマフラーを巻いた彼女も、その一人。


「先生!次の事件は、ヤギが犯人なんてどうですか!ほら、大事な紙が食べられちゃったとか!」


 ロッジに備え付けられた机に両手をついて、ぴょんぴょんと跳ねる様子はなんとも忙しない。


 そして、その机で書き物・・・いや、描き物をしているオッドアイのフレンズはその様子にため息をつく。


「・・・キリン。これは私の描くお話だ、私が描きたいように描かせてもらうよ」


「う゛ぅっ!?ご、ごめんなさい・・・」


 キリンと呼ばれたフレンズ──マフラーを巻いた方──は、もう一人の言葉にしゅんとする。尊敬する人に失礼なことをしてしまった、という罪悪感や焦りから思わず目を伏せる。


 そして、もう一人の方。先生と呼ばれたフレンズは、その頭にある両耳をピンと立ててキリンに言葉をかける。そんなに傷ついたような反応をさせてしまうとは思ってなかったのだ。それに、もう一つとあるアイデアが浮かんだ。


「ごめんキリン。つい言葉が強くなった、そんなに落ち込まないでくれ」


「で、でも私先生に失礼なことを・・・」


「いや、確かに私は私の創りたい作品を描く。それとは別に、キリンのアイデアも悪くない。だから・・・」




「そのアイデア、君が作品にしてみないかい?」

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