第983話、わたくし、『進○の巨人』において、どうしても腑に落ちない点が有りますの⁉

ちょい悪令嬢「──さて、今回も前回に引き続いて、ついに終盤へと突入して大盛り上がり中の、『進○の巨人』【The Final Season Part2】について考証したいかと存じます☆」




メリーさん太「……はあ? まだやるつもりなのかよ? 前回前々回と、語るだけ語り倒したくせに⁉」




ちょい悪令嬢「あはははは、もちろん今回はあんな本格的なのでは無く、比較的『軽め』に行きたいかと思っておりますw」


メリーさん太「本当かあ?………………それにしても、あれだけ語っておいて、まだ語ることが残っているのか?」


ちょい悪令嬢「確かにもはや、エ○ン君に対する『母親殺しという風評被害』は完全に解消できたし、『座標』そのものについても完璧に把握できましたが、それでも少々『腑に落ちない』点が、いくつか残っているのですよ」


メリーさん太「……腑に落ちない点、て?」




ちょい悪令嬢「これって前回までの内容とも関連しているのですが、エ○ン君が『座標』に到達する条件が、『始祖○巨人』を身に宿す彼が、ジ○クさんのような王家の血を引く者と接触することのはずなのですが、だったらヒスト○ア女王様やダ○ナさんと物理的に接触した時に、『座標』に召喚されていないとおかしいとは思いません?」




メリーさん太「──ああっ、言われてみれば、その通りじゃん⁉」




ちょい悪令嬢「それと言うのも、ダ○ナさんに接触した際には、一時的とはいえ『無垢○巨人』たちを操れるようになったし、ヒスト○ア女王様に接触した際には、最も重要なる『最終話までの未来』を垣間見ることになったし──と言ったふうに、一応『始祖の力』が発動しているんですよねえ……」




メリーさん太「それなのにどうして、『座標への召喚』が発動しなかったんだ? ただ単に『王家の血を引いている』だけでは駄目だったりして?」


ちょい悪令嬢「終盤ファイナルシーズンに入ってから明らかにされた『座標への召喚』の発動条件は、『始祖○巨人』の継承者と、王家の血を引く『巨人継承者』とが、(物理的に)接触することであり、確かにこれだとヒスト○アちゃんは除外されるものの、ダ○ナさんのほうは該当するんですよ」


メリーさん太「──まさか、『公式の設定』がバグっていたわけか⁉」


ちょい悪令嬢「まだ結論には早いですよ? こういった疑問点を解決することこそが、当【座談会】の何よりの趣旨テーマなんですし」


メリーさん太「……何か、解明の糸口でも有るって言うのか?」




ちょい悪令嬢「こういった場合は、『条件の相違』をじっくりと検証するのが何よりも肝要ですが、そのためにはいつも通りに、『本作ならではのセオリー』にこそ則るべきなのですよ!」




メリーさん太「本作ならではのセオリーって、今回もやはり『集合的無意識とのアクセス』論のご登場ってわけか?」


ちょい悪令嬢「オフコースもろちん♡」


メリーさん太「──おい、『振り仮名ルビ』!」


ちょい悪令嬢「まあ冗談wはともかくとして、前回も申しましたけど、いかにも難解そうに思える個々の疑問点も、『集合的無意識とのアクセス』という『大局』に立てば、すべて解明可能なのですよ!」


メリーさん太「……ほう、だったら、お手並み拝見と参りますか」


ちょい悪令嬢「まずは『条件の相違』についてですが、一見同じく『王家の血を引く巨人』であるかのようなジ○クさんとダ○ナさんですけど、実は明確な『差異』が有るのです」


メリーさん太「え、そうだっけ?…………………………あっ、ひょっとして⁉」




ちょい悪令嬢「そうです、ジ○クさんが知性の有る『獣○巨人』であることに対して、ダ○ナさんのほうは知性の無い『無垢○巨人』であることです!」




メリーさん太「……ああ、うん、確かにそうだけど、その差異が『座標への召喚』の可否を決定づける条件になる根拠は、何なんだ?」


ちょい悪令嬢「それは当然、『集合的無意識とのアクセス』能力の差異ですよ」


メリーさん太「やはりそれか………でもよう、問題はエ○ン君が『座標』に召喚されるか否かなのに、王家の血を引く巨人の『集合的無意識とのアクセス能力』のレベル差が、どう関係してくると言うんだよ?」


ちょい悪令嬢「確かに『巨人化能力』それ自体は、『九つ○巨人』も『無垢○巨人』もまったく同様に、集合的無意識とのアクセスがもたらす『肉体的変化』によって実現されているので、その点での違いは原則的に無いでしょう。──しかし、『精神的アクセス』におけるレベル差には、雲泥の差が有り、むしろこちらこそが『座標への召喚』に大きく影響してくるのです!」


メリーさん太「精神的アクセス、って……」


ちょい悪令嬢「……まさかメリーさん、エ○ン君やジ○クさんたちが、肉体丸ごと『座標』に召喚されているとでも、思っていたのですか?」


メリーさん太「あ、そうか、あそこに存在しているのは、エ○ン君の『精神体』のみなんだ⁉」


ちょい悪令嬢「よってまず、『座標』と精神的に接続できる『九つ○巨人』であること、そしてその上に『王家の血を引く巨人』であることの、両方が必要だったのです」


メリーさん太「そういえば、『獣○巨人』であるジ○クさんて、自分の脊髄液を飲ませた『無垢○巨人』に対しては操作コントロールすることができるという、『始祖○巨人』モドキの力を持っていたっけ⁉」


ちょい悪令嬢「それこそが、『王家の血を引いている知性有る巨人』であるがゆえの、『固有スキル』なのです。『始祖○巨人』以外の『九つ○巨人』にさえも、そんな力は有りませんからね」


メリーさん太「ジ○クさん自身が、『驚異の子』と呼ばれるゆえんか……」




ちょい悪令嬢「それに対して、いくら『王家の血を引く巨人』といえども、ダ○ナさんのほうは『始祖○巨人』を有するエ○ン君と接触をしようが、そもそも『座標』と精神的に接続していないので、自分自身の精神体を『座標』に転移することができないのです」




メリーさん太「自分自身だって不可能なんだから、他人であるエ○ン君の『座標への召喚』のトリガーにはなり得ないってことか? ──う〜む、前回に引き続いて、確かにつじつまが合っているな!」




ちょい悪令嬢「とにかく、どんなに複雑極まり難解なる疑問点でも、『あらゆる超常現象は集合的無意識とのアクセスによって実現できる』という大原則に則って考証すれば、解明できない謎なんてあり得ないってことですよ☆」




メリーさん太「……うんまあ、これに関しては一応納得したけど、確か最初に『いくつか』と言っていたことだし、他にも何か疑問点が残っているんだよな?」


ちょい悪令嬢「おふこ──」


メリーさん太「──もう、『誤植もろちんネタ』はいいからな⁉」


ちょい悪令嬢「……失礼、もう一つの疑問点としては、まさにこの『王家の血を引く』と言うことこそが、『ユ○ルの民』においても『特別であること』に関してですよ」


メリーさん太「うん? そんな作品における『大前提』に、今更何の疑問が有るって言うんだ?」


ちょい悪令嬢「本作の作者自身、前々から疑問に思っていたのですが、今回のアニメ版最終編ファイナルシーズンの放映&配信の再開に際して、ついにネット上でも取り沙汰されるようになったのでございます」


メリーさん太「ほう、それはまたどうして?」




ちょい悪令嬢「『ユ○ルの民』がすべて、始祖ユ○ルさんの固有スキルである『巨人化能力』を引き継いでいると言うことは、ユ○ルさんの子孫──つまりは、旦那さんの初代エルデ○ア王の血を引いていることになり、一人残らず『王家の血筋』と言うことになるわけでは無いですの?」




メリーさん太「──言われてみれば、まったくその通りじゃん⁉(二回目)」




ちょい悪令嬢「まあ、原作者様は何もおっしゃっていませんので、これについては想像の範囲を超えないのですか、何点か理由を挙げることができます」


メリーさん太「……え、これって『設定ミス』じゃ無いわけなの?」


ちょい悪令嬢「万一たとえそうであろうとも、『集合的無意識とのアクセス論』によって論理づけて差し上げることこそが、当【座談会】の趣旨なのでございます!」


メリーさん太「おいおい、これも『集合的無意識とのアクセス』で解決できるのかよ⁉」




ちょい悪令嬢「当然です、先ほども申しましたが、『九つ○巨人』と『無垢○巨人』には、『集合的無意識とのアクセス』という観点において、大きな差異がございます。よって元々は『九つ○巨人』のみが、王家の血を引く巨人であったものと推察するところです」




メリーさん太「はあ? 何言っているんだ? 現在の『九つ○巨人』って、たまたま例外的に『獣○巨人』を継承したジ○クさん以外は、王家の血を引いている継承者なんていないじゃ無いか?」


ちょい悪令嬢「──そうそう、そこなんですよ! そこにこそ、『巨人化能力を有しながら王家の血筋では無い』理由が隠されているのです!」


メリーさん太「……どうして、そうなるんだよ?」


ちょい悪令嬢「『九つ○巨人』の継承って、どうやるんですっけ?」


メリーさん太「──ッ、そうか⁉ 『うなじの部分を食べて脊髄液を摂取すること』こそが、『すべての始まり』だったのか⁉」


ちょい悪令嬢「これはある意味『鶏が先か卵が先か』の話になってしまいますが、一般庶民に王家の巨人継承者の脊髄液を摂取させているうちに、いつしか『巨人化能力』を獲得して、『九つ○巨人』のような『知性有りの巨人』までは無理だけど、『無垢○巨人』にはなれるようになったのでは無いでしょうか?」


メリーさん太「それって、ラ○コ村の人たちが『ジ○クさんの脊髄液』を摂取して巨人化したのは、そもそも遠い御先祖様が王家の脊髄液を摂取することで、『巨人化能力』を獲得していたからと言うのか⁉」


ちょい悪令嬢「それに何と言っても、『王家の血筋こそが巨人化のトリガー』と言うこと自体が、『ミスリード』だったりするのですよ」


メリーさん太「え、どういうこと?」


ちょい悪令嬢「先程も述べたように、重要なのは、『始祖ユ○ルの脊髄液』を継承することじゃないですか?」


メリーさん太「……だからそれこそが、王家の血を受け継ぐってことだろう?」




ちょい悪令嬢「違いますって、『脊髄液』というのはあくまでも『物理的』側面に過ぎず、より重要なのは、すべての元凶である『大地○悪魔ハルキゲニア』が始祖ユ○ルに授けた、『座標=集合的無意識とのアクセス能力』という、『精神的』側面のほうなのですよ!」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「これはまず、彼女の脊髄液を直接摂取させることで、三人の娘に継承されたのですが、子から孫へ、孫からまたその子供へ──と継承されていくにつれて、だんだんと『集合的無意識とのアクセス能力』も弱まっていき、王家の血筋はあくまでも(主に『始祖○巨人』としての)『座標への召喚能力』がメインとなり、『知性の有る巨人』も『九つ』のみで限界となって、それらに対する継承も脊髄液を直接摂取すれば、王家の血筋に関係無く受け継がれるようになったものと思われます」




メリーさん太「……簡単にまとめれば、一番重要な『集合的無意識とのアクセス能力』自体は、王家の血筋であるかどうかよりも、『九つ○巨人の脊髄液』を直接摂取した者こそに、後天的にもたらされることになったと言うわけか?」




ちょい悪令嬢「どうです、この考え方だと、『巨人化能力』を秘めたユ○ルの民だからって、全員が全員王家の血を引いている必要は無くなるでしょう?」




メリーさん太「なるほどねえ、『兵器』としての巨人は一体でも多いほうがいいから、一般庶民に王家の者の脊髄液を飲ませまくると言う展開は、大いに有り得ただろうな」




ちょい悪令嬢「──それこそがまさしく『無垢○巨人』の発祥であり、真の意味で『ユ○ルの民』が誕生した瞬間とも申せましょう♡」

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