第933話、わたくし、最初から人間同士の争いを描いた『コードギ○ス』こそ理想的だと思いますの⁉(後編)

メリーさん太「──ああ、あのシーンか。確かにクリエーターになれるほどの『感受性』の高いやつだったら、影響を受けざるを得ないだろうな」




ちょい悪令嬢「もはや『新劇』も完結して、『旧劇』のほうも完全に『過去の作品』になってしまいましたが、『エヴ○の呪縛』はみんなの心の中で生き続けているのです!」


メリーさん太「……何か『いい話』みたいに言っているけど、あの超ヒット作の『進○の巨人』すらも含めて、日本の創作界を『ワンパターン地獄』によって閉塞させかねない『諸悪の根源』を、このまま放置していてもいいのか?」




ちょい悪令嬢「──そこで、『コードギ○ス』シリーズなのですよ!」




メリーさん太「へ? 何で? さっきも言ったけど、『コードギ○ス』こそ、現在の危うい軍事バランスを踏まえて、日本を中心に欧米や東アジア勢力を絡めた、近未来のディストピアワールドを描き出していて、まさしく『人類対人類』の戦いを前面に押し出しているじゃないの?」




ちょい悪令嬢「そうなのです、『コードギ○ス』は、ロボットを始めとする超兵器や超常の力等、SFやファンタジーじみたギミックをたくさん登場させながらも、基本的に『人類対人類』のみしか『対立軸』が無いことこそが、先ほど名前を挙げた作品群とは、ひと味もふた味も違うのです!」




メリーさん太「ああそうか、『コードギ○ス』には元々、人間以外の『敵』が存在しないから、最初から最後まで人間同士で戦っていてもおかしくは無いんだ!」


ちょい悪令嬢「そもそも『エヴ○』だって、『最後の使徒』のカ○ル君を倒した後で、人間同士の戦いが始まっているので、別に最近の後追い作品みたいに、『人類以外の敵』との戦いをほっぽり出していたわけでは無いのですよ」


メリーさん太「むしろ『使徒』がいなくなって『平和』になったはずなのに、突然同じ人間が攻め込んで来たからこそ、インパクトが有ったんだよな」


ちょい悪令嬢「それを曲解した阿呆クリエーターどもが、『本来の敵』をそっちのけにして、無駄に人間同士で争っている作品ばかり創りやがって。もう視聴者のほうはうんざりしているんだから、そろそろ悔い改めろよ⁉」


メリーさん太「……うん、今やネット上においては、『マブ○ヴ』最新アニメ版を始めとして、非難囂々の有り様だよな」


ちょい悪令嬢「それに比べて『コードギ○ス』の素晴らしいことよ! むしろ人間同士の争いだからこそ、そこには当然『最後の最後ではわかり合える』と言う希望が確かに存在していて、実際に視聴した際の第一ファーストイン印象プレッションとしては、思っていたよりも『ギスギス感』や『絶望感』は無かったのです!」


メリーさん太「──ええっ⁉ で、でも『コードギ○ス』の世界観て、『神聖ブリタ○ア帝国』に占領された日本が、国や民族の名前を始めとするすべての自由や権利を奪われて、人間扱いされずに暮らしているという、『近未来ディストピア』作品モノじゃ無かったのかよ⁉」


ちょい悪令嬢「確かに『基本設定』的にはそうですが、一般的なブリタ○ア人はもちろん、主人公の最大の敵と見なされていたブリタ○ア皇族の皆さんでさえも、結構『話せばわかる』方ばかりで、能力や功績や忠誠心が有れば、たとえ日本人であろうとも、皇族の専属騎士に取り立てたり、正式に貴族にしてやったりと、ちゃんと筋を通す時は通すって感じなのですよ」


メリーさん太「……そういや、原則的にはブリタ○アの子女しか通えないはずの『学園パート』なんかも、基本的に『コメディタッチ』で統一されていて、日本人であるス○ク君に対して差別をするどころか、普通に仲間として迎え入れていたよな」


ちょい悪令嬢「あんまり言うと『ネタバレ』になりかねないので、詳しくは述べませんが、実は『諸悪の根源』は、皇族とか皇帝陛下御自身とかでは無く、むしろ『人外』的存在だったりするのですわ」


メリーさん太「……人外? 『コードギ○ス』には、人間しか出てこないんじゃ無かったのか?」


ちょい悪令嬢「全編的に人類と人類以外の種族が生存競争をすると言った対立軸ではありませんが、超常現象OKの世界観ですので、あくまでも人類の延長線上として、人外的存在もいるのでございます」


メリーさん太「……そういやそもそも、『メインヒロイン』的立場にある『C○シー○ー』自身が、人外のようなものだったな」


ちょい悪令嬢「まあとにかく、今となっては珍しい『人間VS人間』の戦いを主軸に描いた『コードギ○ス』シリーズですが、本作の魅力はその程度では収まりません! いわゆる『曇らせ』についても、下手すると『進○の巨人』以上かも知れませんよ⁉」


メリーさん太「はあ? 別に『巨人』や『BE○A』のような人間が太刀打ちできっこない、絶望的なまでに強大な存在との戦いを続けなければならないわけでも無いし、本来ラスボスとなるはずの敵国の皇族とも理解し合える可能性が有ると言うのに、なぜなんだよ?」




ちょい悪令嬢「敵味方共人間同士だからこそ──究極的にはわかり合えるからこそ、それが失敗したり裏切られたりした時の絶望のほどは、怪物相手の戦いの日々ごときでは、けして味わえないでしょう」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「これもネタバレになりかねませんので、少々アレンジしてご説明すれば、民衆の心からの賛同のもと晴れて『進○の巨人』世界の中で女王となったヒス○リアちゃんが、誰かに密かに『巨人化』の注射を打たれていたり、『ジークさん』の脊髄液を摂取していたりして、『女王戴冠式』の真っ最中に知性を持たない『無垢の巨人』と化してしまい、自分自身でも制御不可能な状況の中で、式典に集まっていた無数の国民を虐殺して、その後でどうにか人間の姿に戻って、己の凶行をまざまざと見せつけられて、自ら命を絶ちかねないほど絶望してしまったりしてね」




メリーさん太「──エグッ⁉ 何ソレ、『コードギ○ス』の制作陣て、下手すると諫○創先生以上の、『ヒトデナシ』じゃんか⁉」




ちょい悪令嬢「あら、『進○の巨人』だって、主人公のお父様のグリシ○=イェーガー氏が、レ○ス王家の隠れ家において、同じようなことをしていたではありませんか?」


メリーさん太「……あ、やっぱ諫○先生のほうも負けず劣らず、『曇らせ大王』陛下であられせられたわ」




ちょい悪令嬢「──そう言うわけで、またしても『見所たくさん』な作品と巡り合うことができて、感無量の本作の作者ですけど、読者の皆様におかれましても、すでに評判が確定している昔の作品なんて見る必要は無いと、『食わず嫌い』なぞをなされること無く、もしも今回のように『コードギ○ス』シリーズ全話順次無料配信等のチャンスが有った場合には、できるだけ視聴なされることをお勧めいたしますわ♡」













メリーさん太「……いやあんた、いくら何でも『コードギ○ス』シリーズを今まで一度も見たことが無かったとか、むしろそのほうが『不見識』と言うものだろうが?」




ちょい悪令嬢「仕方ないではありませんか? 何度も何度も申しておりますように、本来本作の作者は、ほとんどアニメ作品を見たことが無かった、どちらかと言うと『アニメ音痴』に類される人間なのですから」

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