第677話、わたくし、主人公がラスボスどころか、『作者』であってもいいと思いますの⁉

ちょい悪令嬢「──はい、現在は4月9日の未明5時ですが、皆さんもうご覧になりましたか、例の超注目作品の、記念すべきエピソードを!」


メリーさん太「そりゃあもちろん、あれだけ全世界の無数のファンが、待ちに待っていた最終回なんだから──」




ちょい悪令嬢「いやあ、すごかったですねえ、『ゾンビラ○ドサガリベンジ』放映&配信一発目からの、『爆死』スタート! これから一体どうなってしまうのでしょうか?」




メリーさん太「──そっちかよおおおおおおおおおお⁉(ジ○クさん風に)」




ちょい悪令嬢「な、何ですか、メリーさん、いまだ夜明け前だというのに、奇声を発したりして? ご近所迷惑ですよ」


メリーさん太「いや、何で『ゾン○ガリベンジ』なんだよ! ここは、『進○の巨人』の最終回以外無いだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「……え、でも、まだ書店は開いていないから、動画サイトで日付変更とともに視聴できるアニメ作品とは違って、漫画作品の最新話を読むことはできないでは無いですか? ──はっ、まさかメリーさん、ネット上のアングラサイトで、違法閲覧を⁉」


メリーさん太「何言っているんだよ、それこそネット上の『別○ガ』様のサイトである『マ○ポケ』において、すでに最終話が有料で公開されているじゃないの⁉」


ちょい悪令嬢「な、何と、雑誌が書店で発売される前に、ネット上で読めるなんて、便利な世の中になりましたな⁉」


メリーさん太「昭和かよ⁉ 何でアニメはちゃんとフォローしているのに、本作の作者自身あれだけ騒いでいた、『進○の巨人』の原作漫画版の最終話は、いまだ読んでいないんだよ⁉」


ちょい悪令嬢「い、いや、漫画はどうしても、紙媒体で読まないと、イマイチしっくりこないもので」


メリーさん太「──もうこの作者、Web小説を書くのをやめちまえよ⁉」


ちょい悪令嬢「まあまあ、このように『ボケ』でもカマしておかないと、今回の【座談会】は(題材的に)、本題に入りにくいではありませんか?」


メリーさん太「……まあ、そうだよな。まさか、あんなことになるとはなあ」


ちょい悪令嬢「ほんと、『まさか』ですよ」


メリーさん太「『まさか』、だよな」




ちょい悪令嬢&メリーさん太「「──まさか、本作第669&670話で行った【最終回予想】が、ズバリ当たってしまうとは⁉」」




ちょい悪令嬢「……結局、『ま○マギエンド』でしたか」


メリーさん太「ていうか、ネット上のほとんどの予想も、『コレ』だったけどな」


ちょい悪令嬢「一応、何から何まで『ま○マギ』そのものというわけでも無かったですけど、その点もネットの予想そのままでしたね」


メリーさん太「と言うと?」




ちょい悪令嬢「世界や歴史そのものを改変したわけでは無く、現在の絶望的状況はそのままにしておきながら、エルデ○ア人の『優位性』だけを奪い取った形になってしまったのですよ」




メリーさん太「それって、散々ネットで危惧されていたオチじゃねえか⁉ そんなんじゃすぐさまパラデ○島が、世界中から袋だたきに遭ってしまうのではないのか?」


ちょい悪令嬢「せっかく本作において『善後策』をご提示したというのに、そう言った『裏技』的フォローはまったく無かったですしね」


メリーさん太「何で一番『予想通り』の展開をしながら、誰もが危惧していたことに対するフォローが無かったんだろう? 世紀のストーリーテラーであられる諫○先生らしくもないな」


ちょい悪令嬢「とはいえ、これはこれで『正解である』ことは──少なくとも、『失敗では無い』ことは、確かなのですよ?」


メリーさん太「……こんなある意味ありきたりで、不安材料も少なからず残している幕切れで、『失敗では無い』って、どうしてなんだよ?」




ちょい悪令嬢「もしも本作が提唱したような、世界そのものを作り替えるような『ま○マギエンド』モドキにしていたとしたら、今頃ネット上はどうなっていたと思います? 『御都合主義過ぎ!』とか『それじゃ夢オチそのものじゃん⁉』などといったふうに、大炎上間違いなしだったでしょう」




メリーさん太「………あ」




ちょい悪令嬢「それに、本作のような『反則技』ではございませんが、ちゃんとそれなりのフォローはなされているのですよ?」


メリーさん太「それなりのフォロー、って?」




ちょい悪令嬢「まずは何と言っても、『地な○し』です。これで世界中の人々を──すなわち、事実上の『パラデ○島の敵対勢力』を、ほぼ無力化できたことになっております」




メリーさん太「え、『始祖ユ○ル』の呪いが解けたことで、『地な○し』自体も止まったんじゃ無かったの?」


ちょい悪令嬢「止まった時点ですでに、深刻なる被害をもたらしていたみたいなんですよ」


メリーさん太「だったらむしろ、『パラデ○島憎し』で世界が大同団結して、エルデ○ア人自体が殲滅させられてしまうんじゃないの⁉」


ちょい悪令嬢「地域によっては、国そのものが壊滅ほどの甚大なる被害を受けており、残存している国家も、もはや軍事行動を起こせるだけの、人口や統治能力や科学技術が残っていないという有り様であるのに、ほとんど被害を被らなかったエルデ○ア王国に戦争をふっかけるのは、ほぼ不可能でしょう」


メリーさん太「……そうかあ? いくら何でも全世界の中においては、パラデ○島勢力は圧倒的に少数だろうし、復讐心に燃える国々が一致団結して軍備を再び整えるのに、それ程時間はかからないのではないのか?」




ちょい悪令嬢「──大丈夫です、何せそのための、『自作自演の救世主』作戦なのですからね!」




メリーさん太「……へ? 救世主? しかも、自作自演、て」




ちょい悪令嬢「結局エ○ン君率いる暴走した巨人勢力を倒し、『地な○し』を止めたのは、パラデ○島やマ○レのレベ○オ収容区出身の、エルデ○ア人たちだったのであり、他の民族にとって加害者でありながら『命の恩人』でもあると言う、複雑な立場にあって、これまでみたいに何が何でも根こそぎ殲滅するってわけにもいかなくなったのですよ」




メリーさん太「そ、そうか、それこそこれまで通りに、『ユ○ルの民はいつ巨人になるかも知れないから、情け容赦なく根絶やしにすべきだ!』という論法も通用しなくなっているから、今回の『地な○し』において、エルデ○ア人がすべて『極悪非道な加害者』で無い限りは、おいそれと手は出せないのか⁉」




ちょい悪令嬢「それどころか、一部とはいえ『救世主』様なのですからねえ。案外これも、『考えに考えられた結末』と言っても過言では無いかも知れませんよ?」




メリーさん太「えー、そこまで凄いかなあ?」




ちょい悪令嬢「凄いですよ、本来アル○ン君たちは、もはや何もしなければ、自分たちだけは安泰だったのに、『地な○し』を止めたのだから、それによって助けられた諸外国側から、文句をつけるのは不可能なのです」




メリーさん太「──ッ」




ちょい悪令嬢「わたくし最近購入したばかりの原作の漫画版を読んだ際に、非常に違和感を覚えたのですが、アル○ン君たちが自分たちの祖国の不利益を度外視してまで、『地な○し』を止めようとしたこと自体は、『主人公サイドの見せ場』というメタ的な理由によって、何とか納得したのですけど、民族的立場として全然落ち度が無い、同じ釜の飯を食った元第104期訓練生の『イェ○ガー派』の兵士たちを殺してしまったのは、まったく納得がいかなかったのです」




メリーさん太「そ、そういえば⁉」




ちょい悪令嬢「『イェ○ガー派』の首謀者にして、何かと過激で独善的なフロ○ク君はともかくとして、ダ○さんなんかは完全に『無害ないいやつ』じゃないですか? そんな彼すらもアル○ン君やコニ○君の手で殺してしまうなんて、どう考えてもやり過ぎでしょう?」


メリーさん太「た、確かになあ。そもそもダ○さんなんて、訓練兵時代に今上の女王陛下御自らがお助けになった命なのであって、それを害することなぞ、『謀反罪』を問われても仕方ないだろうよ」


ちょい悪令嬢「……というか、むしろダ○さんが、この時点で生き延びておられた事実に、驚いたほどでしたわ。これまでまったく出番が無かったので、てっきりお亡くなりになっていたとばかり思っておりました」


メリーさん太「──おいっ⁉」




ちょい悪令嬢「とにかく、『ここまでやる必要は無いのでは?』とか、『もしも世界の危機を救えても、今度はパラデ○島内にわだかまりが残るのでは?』とか、悶々と考えていたのですが、結局ここまでやらないと、アル○ン君たちが『世界全体の救世主』となり、諸外国との間で『休戦交渉』を実現できなかったってことなのでしょう」




メリーさん太「……うわあ、さすが『ドSの性癖』全開の作者様、いくら『筋を通す』ためとはいえ、えげつないよな」


ちょい悪令嬢「いえ、実はこれを仕組んだのは、『主人公』のエ○ン君だったりするのですよ」


メリーさん太「はあ?」




ちょい悪令嬢「これも別に最終回のネタバレというわけでは無く、以前からネット上で散々言われてきたことなのですが、主人公のエ○ン君は『始祖○巨人&進撃○巨人』の力によって、時代すらも超えて他の巨人を操ることができるので、すべての始まりである『シガ○シナ区陥落』時において、『無垢○巨人』となっていたダ○ナさんが、すぐ側にいた人間状態のベルト○ト君を完全に無視して通り過ぎたのは、エ○ン君の仕業と言うことが判明したのですよ」




メリーさん太「──ちょっ、それって⁉」




ちょい悪令嬢「そうなのです、エ○ン君が『すべての巨人を駆逐してやる!』と決意を固めたそもそもの原因が、この後すぐに行われる『さる事件』であったのですが、実はそれを仕組んだのが、何と未来のエ○ン君自身だったわけなのです」


メリーさん太「作者は作者でも、『ド外道系』の作者じゃねえか⁉ あのエピソードを仕組んだと言うことは、エ○ン君は自分の意志で、自分自身の(以下ネタバレ防止のため省略)」


ちょい悪令嬢「そうでもしなければ、思い通りの筋道ストーリーになりませんからね、『断腸の思い』ってやつですよ」


メリーさん太「……それにしても、いくら何でも『鬼畜』過ぎるだろうが⁉」


ちょい悪令嬢「そうなると、アル○ン君やハ○ジさんに、本来敵であるマ○レの残党と協力して、本来味方であるフロ○ク君やダ○さんと戦わせたのも、エ○ン君の筋書きで間違い無いでしょうね」


メリーさん太「……つまり、いわゆる【マ○レ編】からこっちは、主人公が作者の役割を代替していたってわけか?」




ちょい悪令嬢「本作で言えば、始祖ユ○ルが、『ユ○ルの民』を肉体丸ごと物理的に改変できる、『外なる神アウター・ライター』なら、エ○ン君は、『ユ○ルの民』を精神面においてのみ改変できる、『内なる神インナー・ライター』に相当するわけなのですよ」




メリーさん太「──‼」




ちょい悪令嬢「いやはや最後の最後の来て、ここまで本作とのシンクロ率の高さを見せてくださるとは。最終話をご覧になって、『無難な最終回だった』とか『少々肩すかしだった』とか、おっしゃっている方もおられますが、実はこのラストの一話だけでも、メタ的に非常に見所があったりしますので、一度ならず二度三度と、別の視点で読み直してみると、また新たな発見をなされるかも知れませんよ♡」













メリーさん太「……しかし、最終話の公開とほぼ同時に、こんな内容のエピソードを作成したりして、本当に大丈夫なのか?」




ちょい悪令嬢「心配いりませんて、致命的なネタバレはしていないはずですから…………たぶん」




メリーさん太「──おい、『たぶん』て、何だ⁉ 『たぶん』て!」

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