第659話、わたくし、『同性婚』は女性差別だと思いますの⁉(後編)

「「「「──お願いです、信じてください! 私たちは本当に同性愛者です! 外国の工作員なんかじゃありません!」」」」




 新生大日本第三帝国帝都東京より、遙か南方の絶海の孤島にて鳴り響く、男女四名の悲痛なる叫び声。




 しかしそれをほんの面前で聞いていた、銀縁眼鏡と漆黒のスーツ姿という、いかにも『怜悧な高級官僚』をイメージさせる青年は、微塵も動ずることは無かった。




「……工作員では無いだと? 我が内務省特別高等警察による綿密なる調査では、貴様らは全員特亜方面の外国籍であったが?」


「「「「それは、たまたまです!」」」」


「「私たちは、『シモ船長国』生まれの、ホモなだけです!」」


「「私たちは、『中つ国』出身の、レズなだけです!」」


「「「「お願いです、特高のお役人様! こんな最果ての流刑地で、朽ち果てたくはありません! 何卒、お慈悲を〜!!!」」」」




「──ふん、そこまで言うのなら、その覚悟のほどを試してやる。これから貴様らには、簡単なテストを受けてもらうことにしよう」




「「「「簡単な、テスト?」」」」




「今日からほんの数ヶ月ほど、貴様ら自称ホモカップル二名と自称レズカップル二名の計四名は、この島内で誰の手も借りずに暮らしていくのだ。──もしも、次に私がこの島に訪れた時に、現在同様に四人のままであれば、貴様らを工作員なぞでは無く、真の同性愛者として認めてやろう」




「「「「え、そんなことで、いいのですか⁉」」」」


「ほう、ちゃんと達成できる自信が、あるわけか?」


「……確かに、無人島には危険は多いし」


「テスト期間は長いけど」


「四人全員で生き続けるくらい」


「我ら、仲良し『特亜工作員同志タワリシチ』──じゃ無かった、仲良し『同性愛者同士』、必ず達成して見せますよ!」




「……ふふふ、『仲良し』か、それは大いに期待できるな。──まあ、せいぜい頑張るんだな」




 そのような、いかにも意味深な捨て台詞を残して、大型ヘリで島を後にしていく、トク青年アオニサイ


「「「「──やったあー! 特高と言っても、チョロいものね! 後はこれから数ヶ月の間、無難に過ごしていくだけで、無罪放免よおおおお!!!」」」」


 極度の緊張状態を解かれて、四人で抱き合って嬉し涙を滂沱のように流しながら、歓喜の声を上げる、自称同性愛者たち。




 ──しかし結局、彼らは全員、処刑されてしまったのだ。




 それと言うのも、再び特高の青年が島を訪れた時、自称レズの女性が、二人共『妊娠』していたのである。




 これはこれは、『仲が良すぎる』だろうwww




 とにかくこれでは、自ら『同性愛者であるのを否定した』も同然であって、その場ですぐさま銃殺刑に処されてしまった。


 ……まあ、とどのつまりは、たとえ彼らが工作員なぞでは無く、少なくとも最初の時点においては、本気で同性の相手を愛していたとしても、結果は同じだっただろう。




 なぜなら所詮人間も、『オスとメスからなる獣』の類いに過ぎず、『ジェンダー』だの『フェミ』だの『LGBT』だの『同性婚』などと、口先だけで取り繕ったところで、狭い密室に男女のペアで放り込まれてしまえば、生物としての本能には抗えず、『交尾』せずにはおられないのだからw




 こうして、神聖なる帝国に仇なす外患が四匹、速やかにこの世を去ったのであった。













 ……失礼、計『六匹』の、誤りでした。














※【作者注】①


 前回、本文中に問題箇所が多過ぎたので、自主規制として大幅に削除してしまい、読者の皆様には大変ご迷惑をおかけいたしました。


 つきましては、当該削除箇所がどのような内容であったかについて、これよりできるだけ差し障りの無い形で、『補足説明』を行おうかと存じます。




 ──そもそも今回と前回とにわたる、非常に問題の多いエピソードを作成しようと思い立ったのは、去年本作の作者の伯母が亡くなったことを切っ掛けとしております。




 非常に残念なことながら、彼女は死ぬまで、子宝に恵まれませんでした。


 それでも彼女は、最後まであきらめずに、不妊治療をし続けました。


 もちろん旦那さんも全力で、フォローなされていました。


 自分が亡くなった後に、伯母さんが困らないように、財産をすべて彼女の名義になされたほどでした。


 それなのに、伯母さんのほうが先に身罷ってしまうなんて、お気の毒で仕方ありません。


 ……これは蛇足ですが、私たち伯母さんの親族一同は、全員相続権を放棄いたしました。


 なぜなら、全員が伯母さん夫婦のご苦労を知っており、我が事のように悲しんだのですから。




 ──そのように過去の辛い出来事に思いを馳せていたなかに、例の札幌地裁の『同性婚』に関する判決に対する『ヤフ○メ』の一つに、信じられないコメントがあることに気づいたのです!




 何とそれは、「同性愛者は子供を次世代に残さないから、普通の夫婦と同様の法的保護は必要ないと言うのは、不妊の女性に対する差別も同然だ!」という、『同性婚推進者』によるものでした。




 私は一目見て、怒りで視界が真っ赤に染まりました。




 不妊で悩んでおられるご夫婦の皆さんは、最初から子作りを放棄している同性愛カップルとは違って、ちゃんと子供を生み育んでいく意志を持って結婚しているのです。


 それなのに、自分たちの歪んだ性癖を優先するばかりで、社会的貢献をまったくしようとしない、利己主義者どもと一緒にされてしまっては、堪ったものではありません。


 これはまさしく、不妊症のすべての女性に対する、『侮辱行為』です。


 やはりあいつらには、『人の心』というものが無いのです。


 もしも同じ日本人同士なら、こんな言葉なぞ出るはずがありません。


 ──間違いない、


『同性婚』や『夫婦別姓』をごり押ししようとしている、自称『人道主義者』や『ツイフェミ』どもは、純粋な日本人なんかでは無く、日本の社会システムを破壊することこそを目的とした、外国勢力やその協力者の『工作員』なのです。



 これはけして、『陰謀論』なぞではありません。




 なぜなら、すべてが某特亜二国の謀略工作であることは、現在世間を騒がせている『LIN○事件』によって、如実に証明されてしまったのですから。




 ……これにどれ程重大なる意味があるのかと申しますと、『同性婚』や『夫婦別姓』がどうしたとか言う以前に、これまでLIN○を利用していた大多数の国民どころか、政府を始めとする各種の公共機関の重要なる情報が、ほぼすべて某特亜二国に筒抜けであったという、まさしく『致命的な状況』なのであり、その結果某特亜二国は日本国に対してれっきとした戦闘(侵略)行為である『情報謀略戦』の実行に及んだ、自他共に認める『敵性国家』であることが決定したのですよ。




 そのような非常に危険な状況下にあって、見かけ上日本人と区別のつかない外国人スパイどもが、日本人になりすまし、言葉巧みにすり寄ってきて『戸籍上の夫婦』となった後で、日本人を殺害し、戸籍を乗っ取り、日本人に成り代わることすらも可能とする、『同性婚』や『夫婦別姓』を推進することは、『命取り』以外の何物でも無いのです。




 ──つまり、私が本作において、折に触れて申し上げてきたことが、すべて正しかったわけなのですよ。







※【作者注】②


 このような内容の作品をネット上で広く公開すると、「実在の同性愛者の皆様の名誉を著しく傷つけ、抗議の対象になってしまうのではないのか?」と言ったご意見もお有りかと思いますが、ご安心ください、そういった可能性は皆無ですので。




 ──なぜなら、この世に『同性愛』は存在しても、同性愛『者』のほうは、けして存在しないのだから。




 ……これって、以前本作においても、語ったことなんですけどね、


 現代物理学の根幹をなす量子論に基づけば、未来には『無限の可能性』があり得るので、現在異性を愛している者が、将来同性を愛することも、現在同性を愛している者が、将来異性を愛することも、けして否定できないのであり、


 ──そもそも『人を愛すること』に、相手が異性であるか同性であるかなんて、まったく問題では無いのだ。


 つまり、『普通の人間』であれば、異性に限らず同性すらも、等しく愛することができるのに対して、


 自ら「同性しか愛せない」などと言った、現代物理学に則れば『絶対にあり得ないこと』を断言する、自称『同性愛者』とは、一体何者なのかと言うと、


①その正体が某国の工作員の場合は、単なる『嘘つき』であり、


②万が一本物なら、自分の愛する相手から『異性を斬り捨てた』、真の『差別主義者』だと言うことになるでしょう。




【結論】もしも『同性愛者』を自称する者がいた場合、偽物であれば『嘘つき』であり、本物であれば『差別主義者』であるだけの話なので、普通の人間と同等の法的保護を与える必要は無いのはもちろん、『人類の敵』として駆除すべき存在でしかないのです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る