第86話、わたくし、てっきり『座談会』回は、手抜きかと思っておりましたの。
どくとる「……くっくっくっ、それは災難でしたねえ」
アグネス
どくとる「まあ、かの方々の脳天気さは、大陸中に知れ渡っておりますからなあ」
アグネス
どくとる「まあまあ、そうおっしゃらずに、その分、『得るもの』も、多かったのですから」
アグネス
どくとる「おやおや、いけませんなあ。せっかくこうして
アグネス
どくとる「いえいえ、とても可愛らしくて、お似合いですぞ、『アグネス
アグネス
どくとる「おおっ、そうなのです! まさに今回の最大の収穫こそが、その
アグネス
どくとる「これっていかにも番外編における、手抜きのための会話劇フォーマットのように思われておりますが、実はWeb小説界における異世界転生や異世界転移は言うに及ばず、現在のライトノベル界きっての売れ線分野の代名詞であるVRMMOにおける、最も理想的な実現方法とも言えるのですよ!」
アグネス
どくとる「ええ、『SA○』もです」
アグネス
どくとる「それだけ、
アグネス
どくとる「──実はですねえ、個々人がそれぞれ『仮想現実空間』を体験することは、けして不可能ではないとも思われるのですが、それに対してVRMMOのほうは、ほとんど実現不可能とも言い得るのです。それというのも、仮想現実とはいわゆる『夢』のようなものであり、個々人にそれぞれ別々の『つくられた夢』を見せるのは、将来的に実現しても別に不思議ではないものの、VRMMOのように『不特定多数の人間に一度に同じ夢を見せる』なんてことは、どう考えても不可能でしょう?
アグネス
どくとる「しかもラノベやWeb小説のVRMMO作品のように、その世界の中でめいめい勝手気ままに行動できたりするなんて、論理的かつ原理的にほとんどあり得ないし、もし万が一あり得たとしても、それを実際に構築するためのコンピュータの演算能力や描写能力なぞ、とても
アグネス
どくとる「まあ、もっとぶっちゃけると、VRMMOなんて、ネトゲジャンキーどもにとっての、自分の目の前の『液晶モニターの中のゲームの世界に入りたい』などといった、
アグネス
どくとる「いやいや、異世界転生や異世界転移の一種のようなものだからこそ、
アグネス
どくとる「そう。
アグネス
どくとる「なぜそのような、本来不可能なことを可能にできるのか? それは集合的無意識とアクセスすることによって、直接脳みそに『記憶や知識』を書き込まれるからなのですよ」
アグネス
どくとる「実は我々は、目や耳のような『感覚器』によって、『見ている』わけでも『聞いている』わでもないのです。それらはあくまでも『情報の入り口』に過ぎず、それらの情報を脳で処理して初めて、視覚や聴覚を実感することができるのです。──よって、脳みそに直接情報を書き込めば、たとえそれが各感覚器で取得した情報と違っていようとも、『本物の知覚情報』として認識されてしまうのです」
アグネス
どくとる「その通り。つまり
アグネス
どくとる「……『SA○』の作者もねえ、『アリ○ゼーション編』では、結構いいところまで行ったのですがねえ。本格的に『量子論』を取り入れて、VRMMOを『夢見たいなもの』と捉えたところまではよかったのですが、まさしくVRMMOにとって不可欠の、不特定多数の人間の『
アグネス
どくとる「それについては、本編の第24話において、すでに詳しく述べている通りであり、異世界転生や異世界転移の独特なやり方として、まさしく
アグネス
どくとる「ええ。──そしてこれこそが、Web小説における代表的作品分野の一つである、『悪役令嬢』モノの根源的テーマである、『乙女ゲームの世界への転生とは、一体いかなるものか』にも、大きく関わってくることになるのです。何せ『ゲンダイニッポンから悪役令嬢への転生』って、異世界転生とも、VRMMO的な乙女ゲームへのダイブとも、とれますからねえ」
☀ ◑ ☀ ◑ ☀ ◑
アグネス
どくとる「え、何がですか?」
アグネス
どくとる「いえいえ、むしろ感謝して欲しいくらいですよ。『同一の夢の中に複数の人間がダイブすることなぞ、けしてできやしない』という、仮想現実における根源的問題に対して、一定の解答をもたらして差し上げたのですからね」
アグネス
どくとる「別に大作と言っても、ビビる必要なんか無いんですよ。あくまでも、同じ人間が創っているんだから。このように、『お互いに足りないところがあれば補い合う』というのは、むしろクリエーター同士としては、理想的な関係なのでは?」
アグネス
どくとる「別に自信なんかありませんよ? 私の理論にだって、何か間違ったところがあるかも知れないんだし。それでもWeb小説やラノベの真の発展のためには、むしろ積極的に意見を表明すべきだと思っているだけですよ」
アグネス
どくとる「いえいえ、いまだ御年7歳の幼女でありながら、酸いも甘いも知り尽くしているようなお顔をなされている、教皇聖下には負けますよ。──さすがは、『リアルロリBBA』♡」
アグネス
どくとる「いや、聖下のまさしくロリBBA的老獪さも、今回の
アグネス
どくとる「いえいえ、『実はサンタさんの孫娘でありました♡』なんて、いかにも可愛いらしい、『衝撃の真実の発覚』かと思いまして」
アグネス
どくとる「はいはい、アグネス
アグネス
どくとる「ええ、ええ、楽しみしておりますよ♫」
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