第80話、わたくし、『ちょい悪令嬢』になりましたの。【新年記念特別編】(その2)

ちょい悪令嬢「──謹賀新年、パートツー‼ 今回も前回に引き続き、【新年特別座談会】の第二回目を、わたくしこと『ちょい悪令嬢』を司会に、いつもの量子魔導クォンタムマジックチャットルームより、いつものメンバーとゲストの方お二人を交えて、昨年の反省と本年の抱負について、座談会形式でお送りしていきたいかと存じます! 読者様並びに参加者の皆さん、どうぞよろしくお願いいたします!」




ちょい悪令嬢以外の全員「「「よろしくお願いいたしまーす!!!」」」




ちょい悪令嬢「──さて、前回は【クリスマス特別編】について、『いっそのこと異世界に、そのものズバリのクリスマスを登場させるのは、是か否か』を中心に述べましたが、何せ新年の午前零時ジャストの公開に間に合わせるために、作業速度ばかりを優先するあまり、書きこぼしたことが少なからずございまして、今回はその補足を行っていこうかと思います」




サンタ・コサンタ・マゴサンタ「確かに、【クリスマス特別編】における事実上のヒロインとも言える、由緒正しきロシアンサンタ『ジェド=マロース』の孫娘である、私についての言及なんて、ほとんど無かったものね!」


メリーさん太「Web小説界における大重鎮の一人である、あたし、『メリーさん』に対する扱いも、あまりにぞんざいだったの。『悪役令嬢』ごときが、ちょっと予想外にウケているからって、図に乗るんじゃないの。確かに新年のスタートに間に合わせるのも大切だけど、それで内容のほうが疎かになったら、まさに『本末転倒』と言うものなの」




ちょい悪令嬢「……うっ。ゲストの皆様よりの非常に耳の痛いお言葉、誠にごもっともでございます。けして前年の過分なるご評価に奢ることなく、本年におきましては、更に精進に努めて参りたいかと思います。──そういった反省の意も含めまして、今回はわたくし自身もゲストの皆様に合わせまして、【クリスマス特別編】同様に、ミニスカサンタコスをさせていただきました!」




都市伝説三人娘以外の全員「「「うおおおおおおおおおおー! ロリロリ三幼女、ミニスカサンタコスそろい踏み、ヤッフー♡♡♡」」」




かませ犬「見慣れているはずの、美幼女公爵令嬢が、サンタコスで魅力十割増し!……だと?」


メイ道「……お嬢様の、月の雫のごとき銀白色の髪の毛と、夜空の満月そのままの黄金きん色の瞳が、シンプルな赤一色のサンタコスに、映えること映えること♡」


真王子様「──ハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤハレルヤ」


ジミー「……こらこら、聖なる言葉を唱えながら、ローアングルでインスタを撮り続けるんじゃないよw」


妹プリンセス「これが本当の、『インス○ント・メサイア』…………なんちゃって、ですわ♡(自分もインスタを撮りながら)」




サンタ・コサンタ・マゴサンタ「──うんうん、非常に気持ち悪いよ、君たち! 私ってばつい、通っている小学校で配られた、防犯ベルを押しそうになったよ!」


メリーさん太「……あたしの獲物ターゲットにも、結構いるの。いつものように電話で予告してから部屋に行ってみれば、同じ都市伝説の『3本足のリ○ちゃん人形』でもあるまいし、全裸で3本足でちながら、あたしのことを嬉々として待ち構えている、三十代から四十代ぐらいの独り暮らしのペド男どもが……ッ!!! そういった輩は問答無用に、ミ○ノの金属バットで撲殺するの☆」




ちょい悪令嬢「──ゲストの皆様、お気持ちは重々わかりますが、抑えて抑えて! ……あと、メリーさん、新年早々から、幼女の都市伝説が、下ネタぶちかますんじゃねえよ⁉ それに『ミ○ノの金属バット』って、何だよ? あんた本当に、メリーさんか? 何か『別の世界観サクヒン』から、紛れ込んできていないか?」


メリーさん太「ノンノン、これくらい、『お正月ジョーク』に過ぎないの、いちいち目くじらを立ててはいけないの。それから間違いなくあたしは、『メリーさん』なの。初代魔王様の『あの方』とは、一切関係ないの。そもそも今時『はやしトモ○キ』先生の作品を引用することくらい、極基本的な嗜みデフォルトに過ぎないの。あたしの同胞たる『異世界のメリーさん』においても、最新作で『ゼンラー○ン』が登場していたの」


ちょい悪令嬢「──極基本的な嗜みデフォルトと言っても、極一部のマニアックな読者様に限られた話でしょうが⁉ それに、他人様の作品を引き合いに出すんじゃありません! そんなに言うんなら、○先生んちの子になりなさい!」


メリーさん太「……そんな言い方、林先生にも○さき先生にも、大変失礼なの」


ちょい悪令嬢「な、何ですってえ⁉」


かませ犬「……おい、毎度お馴染みの、『冒頭のギャグ的やりとりキャッチボール』シーンは、もうそのくらいにしておけ」


メイ道「そうですよ、これじゃあいつまでたっても、本題に入れないじゃないですか?」


真王子様「それに、こんな危険極まる話題、これ以上掘り下げないほうがいいぞ」


ジミー「このままだと、誰も幸せになれませんからね」


妹プリンセス「──というわけで、さっさと気持ちを切り替えて、今回の議題テーマへと参りましょう!」


ちょい悪令嬢「そ、そうですわね、大変失礼いたしました。わたくしとあろうものが、つい興奮してしまいまして、これでは司会者失格ですわね。──それでは、気を取り直しまして、まず最初に、そもそもなぜに今回、本編の【魔王と勇者編】(仮称)をわざわざ中断してまで、【クリスマス特別編】を挿入したかについて、語っていこうかと思います」


かませ犬「へ? そんなの、『クリスマスシーズンだったから』に決まっているだろ?」


メイ道「いちいち、茶々を入れるんじゃありませんよ! 今まさに盛り上がり始めていた、本編をわざわざ中断して割り込ませたのだから、ちゃんとそれなりに理由があるはずでしょうが⁉」


真王子様「そうじゃないと、実は時系列的には、【クリスマス特別編】が【魔王と勇者編】のラストから繋がっているなんてことは、無かっただろうしな」


ジミー「とはいっても、結局【魔王と勇者編】の完結が、クリスマスに間に合うどころか、何と大晦日当日までずれ込んでしまって、読者の皆様に対しましては、時系列的に非常に混乱を招く結果になったけどね」


妹プリンセス「……仕方ありませんよ、この座談会においても次回以降で触れるかと思いますが、【魔王と勇者編】ときたらあらゆる意味において、むちゃくちゃ濃い内容でしたからね。むしろ年内に終わったことこそが、『奇跡』とも言えるのではないでしょうか?」


ちょい悪令嬢「ええ、そうなのです! まさに【クリスマス特別編】は【魔王と勇者編】の派生作品であるとともに、【クリスマス特別編】を作成したことによる【魔王と勇者編】への影響フィードバックも、非常に多大なるものがあったのです!」


かませ犬「……例えば、どんな?」


メイ道「やはりまず何よりも、新幼女ヒロインキャラとしての、『スネグーラチカ』嬢の登場ですよね!」


真王子様「本作の作者が【クリスマス特別編】を作成するに当たって、改めて『サンタクロース』についてググっていたところ、何でもロシアのサンタクロースである『ジェド=マロース』には孫娘がいて、彼女自身もご当地では『雪の妖精』として親しまれていることを知ったのが、そもそもの発端らしいぞ」


ジミー「『孫娘』にして『雪の妖精』ときたら、当然ファンタジー世界におけるロリキャラとして、十分に位置エントリーづけることが可能ですからね!」


妹プリンセス「しかも、何といっても『雪』をイメージしているがゆえに、髪の毛すらも真っ白であったからこそ、同じく白髪はくはつである、元々【クリスマス特別編】においてのヒロイン格であった『魔王』様や、ついでに聖レーン転生教団の教皇様をもひっくるめて、『三つ子のロリ娘』というステキ設定を思いつくことができたのでしょう」


ちょい悪令嬢「はい、まさしく皆さんのおっしゃる通りでして、そもそも【魔王と勇者編】においては、新登場の魔王様と転生教団の教皇様が、魔と聖という対立的立場にありながら、実は双子の姉妹であるという設定を考えていたのですが、外見や年齢等に共通点のある『スネグーラチカ』嬢──つまりは、『サンタ・コサンタ・マゴサンタ』さんを登場させるに当たって、新たに『三つ子』という設定を付加することにしたわけなのです。そしてこれは何と、本来世界観の異なる『メリーさん』を登場させるに当たって、『妥当なる理由』を付与することにも繋がったのです!」


かませ犬「へ? 何でサンタさんの孫娘を登場させると、メリーさんも登場できるようになるんだよ?」


メイ道「あれですよ、ちょっとうがった見方をすれば、『サンタクロース』や『悪役令嬢』も『都市伝説』の一種みたいなものだから、こちらは三つ子ならぬ、『都市伝説ロリ三人娘』として一まとめにして、ただ単にサンタクロースのお孫さんだけを登場させるよりも、更に大きなインパクトを与えることを可能としたというわけなんですよ」


真王子様「……確かに、本来世界観的にバラバラの立場にあるはずの三人が、最初からいかにも知り合いっぽく振る舞っていたしな」


ジミー「サンタさんはともかく、悪役令嬢が都市伝説かどうかは議論を呼びそうだけど、ファンタジー的世界観に基づくこの作品に限っては、メリーさんやサンタさんのお孫さんと知り合いであっても、それほど違和感は覚えないよね」


妹プリンセス「──ていうか、そんなふうに無理やり理由をこじつけないと、前々から『出す出す』と言っていた、メリーさんの登場シーンを設けることができませんし、まさに今回は【クリスマス特別編】に便乗しての、文字通りの『苦肉の策』とも申せましょう」


ちょい悪令嬢「うぐっ。……実は、まさにおっしゃる通りでして、元々本作においては、いわゆる『作中シリーズ』的に、『悪役令嬢』であるわたくしが、『メリーさん』のようないわゆるWeb小説の各分野を代表するキャラたちと、何らかの(馬鹿馬鹿しい)方法で勝負していき、誰がWeb小説キャラとして最も優れているかを決定する──というのを考えておりましたのですが、こんなものをそのまま実行すれば、各方面から多大なるクレームがつくのは火を見るより明らかなので、何とか差し障りがないようにオブラートに包めるような演出方法はないかと考えつつネタとして寝かせておいて、ほぼ同じ趣旨の『悪役令嬢バトルロイヤル』なんかを先行させていたところ、今回の『いっそのこと悪役令嬢を都市伝説の一種と捉える』という、コペルニクス的発想の転換により、何かと物議をかましそうな『Web小説キャラチャンピオン決定戦』ではなく、『都市伝説キャラチャンピオン決定戦』へとアレンジすることで、関係者各位よりの批判等をかわしていく筋道を立てることができたといった次第であります」


メリーさん太「……あたしとしては、ガチの勝負さえできたら、別に建前とか定義とかは、どうでもいいの」


サンタ・コサンタ・マゴサンタ「こらこら、そんなこと言いながら、金属バットをぶんぶん振り回さない。もやは『元魔王』どころか、『撲殺○使』みたいだぞお?」


かませ犬「……ロリキャラだけによる、ガチのデスゲームか」


メイ道「意外と、需要があるかも知れませんね♡」


真王子様「これぞ、ギャップ萌えの極みだな……」


ジミー「いいや、それは違うと思う」


妹プリンセス「皆さん、何だか趣旨を、はき違えているのではなくって?」


サンタ・コサンタ・マゴサンタ「──ほんと、サイテーだね、君たち☆」


メリーさん太「……むしろこいつらをこの場で皆殺しにしたほうが、Web小説界全体のためになりそうな気がしてきたの」




ちょい悪令嬢「──だからメリーさんは、無表情でバットを振り回さないでくださいってば! むちゃくちゃ怖いから!(泣) ……ま、まあ、以上のようなことがあったからこそ、本当なら『ヤマなしオチなしイミなし』の本来の意味での『やおい』作品であったはずの【クリスマス特別編】ですが、最後の最後で、魔王さんと教皇さんと『サンタ・コサンタ・マゴサンタ』さんとの三つ子が、お互いに抱き合って健やかに眠りについているという、いかにもロリロリラブリーなイメージシーンを設けることができたわけでして、まさにこれぞ『棚ぼた』的ラッキーであったと申せましょう。──そして同様に、まさにその【クリスマス特別編】のほうから本編の【魔王と勇者編】へも、多大なる影響を与えることになったのは、先程もちらっと触れましたが、このことに関しては次回以降で詳しく述べていきたいかと思います。──それでは読者の皆様、また明日の午前中にお目にかかりましょう♡」




都市伝説三人娘以外の全員「「「また次回、よろしくお願いいたします!!!」」」










メリーさん太「……コーナーが終わって、ホッと一息ついている今が、チャンスなの。やはりこいつら、ここで皆殺しにしておくの」


サンタ・コサンタ・マゴサンタ「まあまあ、私たちの出番もこれで終わりのようだし、ここのところは一応、『立つ鳥跡を濁さず』で終わっておきましょうよ?」

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