第5話 あーあ。
朝。エレミヤの寝室にて、
「えいえい」
俺の肩に軽くパンチするエレミヤ。
「怒った?」
「おこったあああああああああ!!」
大声を上げながら抱き付く俺。
「アイジ、大好きでするー」
「俺もー」
「てめえええええら何やっとんじゃあああああ煮込み雑炊は来月からですよぉぉぉぉぉぉ!!」
寒いギャグを取り混ぜたツッコミと共にエヴァドニがドアを突き破って突進してきた。
「あ、お前いたの?」
「いたのではありませんよ!! 一晩中エレミヤ様の張った結界を解くのに必死だったのですよ!?」
「今の煮込み雑炊といいバーサーカーソウルといい、つくづくお前の意味不明なボケは寒いんだが、どこで勉強したんだ?」
「……まぁ、ニコニコ動画なるものを一時期」
というわけで、本編入りまーす。
2日目の昼食を終えると、エヴァドニが夜に魔王軍再興計画のオリエンテーションを行うので会議室に来いとか担任の高校教師みたいなことを言ってきたんだが、その後に、金髪の三つ編み少女のジャックがやってきた。
「アイジ、アイジ」
「おお、ロリ子か」
「ロリ子じゃない、僕ジャック!」
我ながらロリ子という造語は自分でも正直嫌で吐き気がするほどでこれ使うくらいなら青汁2000杯飲んだ方がマシだとか後になって思った。じゃあなんで使ったのか知らんけど。
「アイジ、暇かな?」
「うおォン」
「ホント!? 僕とお菓子作らない?」
うおォンでなんで通じたのか誰か解説していただきたい。とりあえず暇だし誘いに乗った。
緑のベスト姿に赤のネクタイといういで立ちの大魔女ジャック・オ・ランタンは、背丈が非常に低く、俺を見上げる体になっていて、
「アイジ、何作りたい?」
「簡単な奴がいい。カップ麺とか」
「何それ?」
「1、容器にお湯を注ぎます。2、立ち上げておいたスマホゲーム『#コンパス』のマッチングを完了させ戦います。3、ゲーム終了と同時に3分たったのでお箸を割っておただきます」
「意味がわからないし、お湯を注ぐだけなんて料理じゃないでしょ! 第一おただきますって何!? ……いいよ。クッキーなら簡単だよ!」
「クッキー☆ ……え? お前正気?」
「だからアイジが言うことは意味が分からないんだってば!」
とりあえずジャックはベストを脱ぎ、まったいらな胸のシャツの上にエプロンをかけた。俺もエプロンをかけた。エヴァドニに見られたらまた怒られそうだけど塩こんぶでも口にねじこんだら大人しくなるか。
「ならないです!」
だから独白読むなよ。殺すぞ。エヴァドニはキッチンの近くの部屋でシュヴァルツと掃除をしていたようだ。
とりあえず料理開始。
「やり方はすごく簡単だよ。生地に卵を入れてこねて型をとって、釜で焼くんだ」
「ほー」
そう言ってジャックと俺は手を洗い、ボウルを2つ用意して生地(ジャック曰く魔法で小麦粉と調味料を生成したものだが、恐らくホットケーキミックスに近いと思われる)を入れ、卵をそれぞれ投入してこねていった。。
「エヴァドニの乳を揉むような要領でやりゃあいいんだな」
「エヴァドニ様に失礼だと思うけど……」
「ジャックの乳も大きくなりますよーに、大きくなりますよーに」
「余計なお世話だよ!」
そうして生地をもこねていくと、だんだん塊になってきて、それっぽくなってきた。
「うん、そろそろいいかな」
「サーッ(迫真)」
「ちょっと!! 何入れたの!?」
俺は台所のそこらへんの白い粉を入れた。
「おいしくなぁれ♡ おいしくなぁれ♡」
「ねぇ、お願いだからどんどんぶちこむのやめて!」
そうして窯で焼いてできあがったクッキー☆。いろいろ淫夢ネタ的なつながりの下できたわけだが……。
「アイジの分は、家畜にあげた方が……」
「魔王の権限によって許さん」
「だめだこの人……」
だって面白そうじゃん?
そして、次回、このクッキーが波乱の幕を開けることとなるっ……!
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