この石ころで躓かなければ世界は滅ばなかった。

 普通へ普通へと扇動する社会。


 劣る人間を嘲笑するコミュニティ。


 彼らが私たちへぶつけてくる石ころの一つ一つが、人生という名の道に転がっている。


 そして、道を進むたびにその石ころに躓き、異端なものや劣っているものはポケットから落ちてしまう。


 この世界に異端や劣等なんてものは存在しない。


 それは個性という、輝かしい未来への希望だ。


 私は石ころに躓いたばっかりに、大切な何かを落としてしまった。


 それが世界を救う唯一の鍵だとも知らずに。

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