第10話
「あら、鏡華じゃない。まさか、翔也くんがここの幼稚園だなんて知らなかったわ、言ってくれればよかったのに。」
え?お母さんと翔也くんのお母さんって知り合いなの?もしかして、学生時代のお友達?んー、どうなんだろ。
「だって、優ちゃんがどこの幼稚園に入るかなんて私知らないもの。」
「でもさー…」
私の隣で翔也くんも驚きながら二人を見ている。
「ね、お母さん。おうち帰る」
二人がずっと喋っているから、お母さんの服を引っ張った。このまま放置されるのイヤなんですけど。
「あぁ、ゴメンゴメン。帰ろっか。」
全く!長くお話するんだったら二人で会った時にしてよ。
「うん。じゃあね、翔也くん。また明日」
「あ…うん。またね、バイバイ」
翔也くんが手を振ってくれたので私も振り返す。
また明日は何して遊ぼうかな〜。
「フフッ、優、今日は楽しかった?」
「うん!楽しかったー。ずっと翔也くんと遊んでたんだ!」
私がお母さんに伝わるように身振り手振りで話すと、
「そっかー、良かったわね。」
そう微笑んで言ってくれた。
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