牛皮の狐

鐘辺完

牛皮の狐

 そのキツネは高級牛革を被っていました。


 「虎の威を借る狐」という言葉がありますが、トラはワシントン条約で保護されている動物なため、キツネが手に入れるのは大変困難でした。


 その点、牛革ならワシントン条約にひっかかる心配もないのでキツネは牛革を被って暮らしていました。


 虎の威を借ることはないものの、牛革は結構丈夫なので、怪我をしにくくなるし、着ているうちに体に馴染んでくるしで良い買いものだったとキツネは思っています。


 ただ夏暑いのが大変。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る