恒星!?

 どうやら俺は、何故か水素元素に転生していたらしい。


 どうしてそうなったのかは分からなかったので、いろいろと検証してみた。


 自分は水素原子に意識が定着している。自分の意志で動くことはできない。時間感覚は滅茶苦茶である。


 おそらく意識がある以外は普通の原子と同じ振る舞いをするようだ。


 そのため、どうこう出来るわけではないことが分かったのでとりあえず流れに身を任せてみた。


 こうしてまた果てしない時間を過ごすことになる。


 体感では何年もの時間がたった時だった。


 身体に重力を感じるようになってくる。しかもそれは徐々に強くなってくる。


『な、なんだ?』


 状況を把握したいが、視覚がなければどうしようもない。なんとかして見ることはできないだろうか。


 そう思ったとき、目の前が明るく光り輝いた。


 そしてそこにあったのは、目が眩むほどに輝く恒星の姿であった。

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