第三章 夏休みなのに彼女とイチャイチャできないのは、余計なフラグを建てまくったのが原因である
ルールを守ってプールを楽しみましょう 1
夏休み・・・・それは学生の中でもっとも有意義な時間を過ごせれる至福の長期休み。大抵の学生は、その期間中は進学の為に短期ゼミに通って自分の学力を向上するものも入れば、家族や友人とで長期の旅行をするものも入れば期間中ずっとバイトをし自立するための資金稼ぎをするものもいる。
そう夏休みといえば、ギャルゲやエロゲのように複数の選択肢があるのだ。
この選択肢は無限に分岐され、運が良ければそこで見知らぬ女性と出会い親密になり二学期の始業式には彼女が出来たりとすることもある。無論いい事もあれば悪いイベントがある。例えば長期の休みではっちゃけすぎてバイトテロを起こしたり無免許運転で人生を棒に振る馬鹿がいるがあれは運というより自業自得だろう。
つまり俺が言いたいのは期間中にある無限の選択肢の中で自身がどう判断して行動するのがミソだ。
かくゆえ俺も今までの長期休みはバイトをしながら宿題を早急に終らせ、余った大量の時間を家でエロゲ三昧をし、たまに樹達と遊んだりと言う、暗い夏休みを過ごしたが今回は違う。
なぜなら俺には乃希亜という最愛の彼女がいるから、夏休みを二人でいる時間を増やす為に満喫しようと企てそれを実行するはず・・・・・・だったが・・・・
「なぜ俺はこんなところにいるんだ・・・・・」
キャハハハハハハハハハハハハハハハハハ
気づけば俺は、実家の近くにある昔、夏場の時期に何度も遊びに行ったことがある野外プールの監視員をやらされ、現在流れるプール前で異変がないか監視台で見守ることになっているのだが、今日は運悪く快晴の為日が強く日差しがジンジンと肌を持って感じおまけにあまり風が吹かないので監視だけで楽かと思いきや、拷問のような暑さに耐えなければいけないのがつらすぎる。
加えて周囲の客の賑やか声と夏休みなので客足が多いのでやや混雑してるので人混みが苦手な俺にとっては苦痛しかない。
一瞬だが頭上を下げ目線をしたに向けると聞きなれた注意声が俺の耳に痛感させる。
「都クンなに、間抜けな顔をしてポケーとお仕事サボってるのですか。真面目にやらないとそのとろけた脳みそに一撃を与えますよ。といっても都クンみたいな、お馬鹿さんには効果なさそうですけどねーーーーー」
魁里の声によって俺は正気を保ち汗をぬぐいドリンクを飲んだ。
こいつ・・・・俺の苦しむ顔が見たいが為か冷やかしに来やがって・・・・・
しかもなんだよこの水玉とフリルのビキニは・・・・・・大人びた体系のせいかとても中学生が着るものじゃないぞ。
「魁里-----------なにしてんの。次ウォータースライダーに行こうよーーーー」
「分かりましたよーーーーーー」
近場にいる友達の声によって魁里は一旦俺から離れウォータースライダーに向かった。
くそ・・・・・今回はいつも以上に魁里の憎たらしい顔が脳裏にちらついてマスマスイライラしてきた。こうなったのもすべてあいつのせいだ・・・・・・
なぜなら昨夜、魁里から突如電話が入りなんでも、ここにバイトとして働いている知り合いが夏風邪のようでしばらく休むようなので、俺が代わりに入ってくれと連絡が入ったのだ。
無論、そんなめんどくさい事は俺はノーサンキュなので断ろうとするが、魁里が、脅し口調でニヤニヤと笑いながら
『え~~~~~~~~断るんですか~~~~~~だったら都クンのお父さんに、隠れてエロゲ買ってることをバラシまーす☆今都クンの実家の前にいるのでお宅訪問します☆ではでは』
とほざくので、特に今日はバイトを入れてなく、乃希亜も仕事でいないから仕方なく受けることになったのだ。
こんなことなら日焼け止めクリームクリーム買えばよかったな・・・・休憩入ったら買うか・・・・
俺は、首にタオルを巻きながら監視の仕事を続けた。
「大河君、一度上がっていいよ~~~」
「ありがとうございます」
ここの先輩上司に交代をさせられ俺はやっとこさ休憩に入った。さて、勤務は確か夕方までだったな~~~~あと半分か。もうひと踏ん張りだな。
そう思いながら従業員専用の休憩室に入ろうとした時、中学生の男女の何人かが俺の前に集まってきた。
どうやら先ほど魁里と遊んでた友人だろ?確かあいつは俺の冷やかしと同時に男子を含むクラスメイトと何人かとプールで遊びに行ってるようだが・・・・中学で男女交えてプールで遊ぶとか・・・・なんかエロい展開がよぎってくるのは気のせいか・・・・・・
ともかくいくら中学生とはいえはっちゃけすぎて心配すぎる点があるな・・・・
「あの・・・・・魁里ちゃんのお兄さんですよね・・・」
「ああ・・・そうだけど」
「先ほど話を聞いたのですけど・・・・休憩に入ったのなら一緒にお昼にしませんか・・・」
そう言われたので、半分あいつの事が心配になったのでとりあえず魁里がいる一般の食事休憩所に向かうと、魁里達がすでに席を陣取っていて案の定あいつは顔で分かるくらい嫌な顔をしていた。
「って・・・・・・・なんでそうやすやすと一緒に来るんですか。休憩とはいえ従業員が客を口説いていいんですか?支配人にチクりますよ」
「悪いな。この従業員用のTシャツを脱いでいれば一般と交じってお昼休憩してもいいんだよ。勿論遊泳はダメだけどな・・・」
「なんですかそれ。そんなドヤ顔してもカッコよくありませんよ」ズン
「いった!!!お前足踏むなよ・・・・」
「すみません。足が滑りました」
絶対ワザとだ・・・・
そういつもの掛け合いをすると、魁里達のグループ内にいるやけに、爽やかな顔をして見るからにクラスの人気者といえる男の子が恐る恐る俺に説いた。
「ねぇ・・・・神代さん・・・この人って・・・」
「ああ・・・・うちの従妹のお兄ちゃんですよ。今ここでバイトしているので思う存分こき使ってください」
「余計なこと言うな・・・・あの君は・・・」
「僕は、神代さんの同じクラスの中村ですよろしくお願いします」
「はぁ・・・・・」
中村君は律儀に初対面の俺に頭を深く下げて挨拶していた。なんて礼儀正しい子なんだ。全くうちの従妹と断然違うな・・・・
「ともかく、みんなこれだけ買ったんだから思う存分食べてくれよな」
「おう」
中村君の指揮で俺を含むメンバーは、先ほど食事ブースで買ったとされるたこ焼きやフライドポテト、ドリンクいったメニューをそろえて一緒に食べることとなった。
この中で俺はかなり浮いていた存在だったが、それでも中村君や他の魁里の友達が俺の高校がどんなものか聞いていたので、俺はありのままを話して楽しんでおり。恐らくこのメンバーの中で、うちの学校に興味を示すのが何人かいたようだ。
とにかく俺はこの話題で話の中心になったのだが、その反面魁里は口数が少なく不機嫌だった。
そう話している中、大人数であってかいつの間にかふんだんに買ったとされる食べ物はすでになくなりかけていたようで、そのタイミングをみたか、魁里は突如として行動に入った。
「あれ、もうなくなってきたね・・・・」
「そうだな。俺なんか買ってくるよ・・・」
「いいえ中村君、ここは年上の都クンに任せてください。ほれ、これを使ってください」ピュッ
そういうと魁里は、俺に三枚の500円玉を投げて来てきた。お前はアンクか・・・・
とりあえずやっと喋ってくれた従妹の為にボケをかますか・・・・
そう思いながら海パンに500円玉三枚とも落ちないように半分くらい中にいれ、返信ポーズをすることにする。
「分かった。お前がそう望むなら・・・・・ギュヨーーーーーンギュヨーーーーーン」
その500円玉を右手でかざし叫んだ。
「・・・・・・・・変身!!!タカ!トラ!!バッタ!!!タ・ト・バ・タトバ・タトバ!!」ドヤァ
「・・・・・・・・・・・・」パチパチ・・・・
「なにやってるんですか?頭湧いてるんじゃないですか・・・・・」
反応は、予想道理に微妙な雰囲気で、文字通り滑っており、お世辞と言えるくらいに何人かが微妙な顔をしながら軽く拍手していた・・・・・
自分勝手に出しゃばっておきながらとても恥ずかしいな・・・・・
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