110_不安な道のりと届かぬ声

もう何年も舗装されていない道を

ひたすら前を向いて歩く僕ら


前方幽かには安堵した年寄ども

後方幽かには笑顔が眩しい子供


どちらも遠すぎて僕らの声が届かない

それはいい事なのかもしれない

それは悪い事なのかもしれない



彼らは道を渡り切ったのだろうか

そんな不安


僕らは道を渡り切れるだろうか

そんな不安


彼らは道を渡れるだろうか

そんな不安




どこかはるか遠くの方で声がした

どこを探しても見えない姿

幸せな声がした


彼らとは違う

僕らとは違う

彼らとは違う


誰なんだろうか

とても幸せそうだ

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