052_終焉

役立たずでも若いからこそ手に入るものがある。

国を動かす我々はいずれ老いて死ぬ。

いずれは多くの役立たずしか残らない。

だからこそ我々は生き続けなければならない。

自殺の多いこの国で、自殺を管理する。

つまり国が死を提供すれば残りは資源として使えるのだ。

死にたいものが死ねて、生きたいものが生きていける。

これこそ理想の世界というものではないかね。


需要に対して資源は豊富で常に湧き出てくる。

可能性は常に生まれ、可能性は常に摘まれる。

無限の可能性が我々の糧となるのだ。












役立たずでも若いからこそ手に入るものがある。

いずれは多くの役立たずしか残らない。

だからこそ我々は生き続けなければならない。


はずだった。


糧となった者は役立たずだった。

残った我々も役立たずとなってしまった。

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