第16話

そしてかれこれ一週間程過ぎただろうか。日付は動かないので正確には分からないが。

俺は毎日に飽きていた。そして、同時に怯えてもいた。もし俺がお金を作る作業を止めた次の日に時が動き月曜日になったら…と。だから仕方なく毎日同じことをしていたが、ふと思ったことがある。毎日同じ日が来る…その変わり目って何時なのだろうと。間違いなく俺が寝ている間…夜中に元に戻っているのは間違いない。そして俺が稼いだお金が消えて朝になる。物が消えてなくなっているのだ。そんな不思議なことが現実に起きている。だから、もし俺が徹夜で起きていれば変わる瞬間を目撃できるか、もしくは日が変わって月曜日になるかもしれない。今日は面白い日になりそうだ。先に進めるかもしれない嬉しさと退屈からの脱出に俺の心は浮かれた。

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