　やはり、このアニメは面白い。

　ゲーム原作のローファンタジー。

　主人公には、それぞれ重めの設定が盛り込まれている。

　異世界から来たっぽい、いわくありげな主人公。

　城内が謎の記憶喪失現象に苛まれ、城を追われたプリンセス。

　プリンセスの城を乗っ取ったラスボスの操り人形となっている魔術師。

　唯一の癒やし枠であるエルフの巫女も、なにかを背負っているらしい。

　しかし、ギャグ回が冴え渡っている。

　主人公たちの旅の目的は、うまい飯を食うこと。

　それだけの目的なのに、どうしてこうも話を膨らませられるのか？

　で、このアニメ最大のポイントは、

「キャラクターを全員出さない」

　ことである。

　各話ごとに、数名ずつキャラを出し、個別回としてイベントを消化するのだ。

　この手法は実に見事で、「アズールレーン　びそくぜんしん」と同じ作用を起こしてる。

　スマホゲー原作だと、

「キャラを全員ださないと」

　と躍起になり、シナリオがヘタってしまうものだったり。

　しかし本作は、このシナリオバランスをうまく調節している。

　その展開のダイナミックさの魅力は、途中で挟む鬱展開だけではないはずだ。

　田中公平氏の音楽も相まって、ギャグとシリアスのバランスが見事である。

　また、設定も近代的なモノが揃っていて、おにぎりなどの親しみやすいアイテムもある。

「異世界」という「なんでもあり感」をふんだんに取り入れていて、リアリティこそないものの楽しい世界を演出している。

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