第72話 多気駅までしっかりした道がある。03

 私はこの若い女性駅長の話を聞きながらこれから電気工事を始めようと思った。

 しかし、この若い女性駅長は若いながら非常に聡明で良い雰囲気を感じる。

 そう思いながら作業着を着替えてこれから作業を始めた。


 まず、田丸駅は相対式2面2線の地上駅で地下自由通路で駅の南北の移動を支えている。

 地下駅舎は橋上駅舎に比べて天候に強く、高架化する際には非常に有利に働きやすい構造となっている。

 だから地下駅舎にした方が高架化の為にも非常に有益なのは言うまでもないかと。


 そしてここが有人駅になった背景にはやはり近鉄とJRの競合が強化され、特に伊勢鉄道がJR化して近鉄と伊勢線が競合路線になった事が非常に大きいからだろう。

 故に田丸駅も以前は約550人前後だったのに利用者が今は4,000人前後まで増加した影響が大きい。

 しかも近鉄一辺倒だった人もJRに変える人が増えて欧米系外国人が非常に大きいのはその影響なのだと感じた。

 だから選択肢が選べる状況を作れると確かにこの方針は大きな影響があると思った。

 それに、伊勢は名古屋や大阪へのアクセス性が非常に優れている事、複線化や電化、高速化された事から利便性が向上され、移動が大きく向上された事が非常に大きいかと感じました。

 そう考えながら私は架線の工事をしていると所々台風の影響によって痛んでいる影響が非常に大きかったのでそれらを治す為に取り換えながら修復した。

 そして架線の工事が終わった後、田丸駅から外城田駅に向かいながらひたすらバイクで走っていった。


 しかし、三重の道を走ると信号機が非常に似たようなものが非常に多く感じる。

 確か、灯器に凹みがある灯器が多い事を察すると日本信号の灯器の割合が非常に高い地域なのだと私は感じた。

 日本信号の灯器は丸形以降の金属灯器は灯器の底面に凹みがあるのでそれが他社との見分けの要因になる。

 勿論、アルミ灯器でそれが継承され、そのくぼみは薄型や低コストになってもいまだに残っている状態に信号機の違いを良くわかる案件だと理解した。

 但し、樹脂はそれが適用されていないので注意が必要となる。

 又、歩灯は京三などと同じでありながら丁番が短かったり、金具止めを設置している傾向があるのでそういう面でも比較は大いに可能だ。

 そう思いながら、日本信号灯器とオムロン樹脂灯器がある勝田西交点を右折して、そこから日本信号アルミ25cm灯器のある田丸橋北詰交点を左折してひたすら走っていった。

 やはり三重は南部は田園地帯ながらこの快走な気分はやはりバイクだからこそ味わえる雰囲気だと感じた。

 岐阜だと若干熱くなるから三重の方が意外と落ち着いた温かさを感じるのも非常に分かる案件だと思った。

 又、三重の方が平たんな地域が多いからこういう気分の良い走り方が可能なのも納得した。


 そして信号のない外城田駅南口交点を右折してようやく外城田ときだ駅に突入した。

 外城田ときだ駅は以前は単式1面1線のいわゆる単線の駅で有名だったが、複線電化によって各停だけながらも利用者が大幅に増えて、現在はローカル駅ながらも10倍に増えた。

 そして現在では相対式2面2線に改良され、速達性としても非常に効率が良い。

 最も、以前は100人弱なのに現在は1300人な訳だから複線化の影響で、利用者がその10倍は軽く行っているといっても良い位だ。

 そう考えながらもこれから無人駅である外城田ときだ駅の架線の状況を確認した。

 因みにこの駅は私だけで確認する事になっている。

 やはり利用者が少ない影響が非常に大きいからだと感じた。


 故に、そういう問題を考えながらこの架線の状態を確認しながら様子を見た。

 すると、外城田駅の架線は問題ないと確認できたので確認を終えた後、次の駅である多気駅に向かった。そして三重県道119号線を走りながら途中で右折して多気駅向かった。

 そして紀勢本線部分が平面交差解消の為に立体化されていることが非常に大きいと感じながらも一部が複線になっている状況からも紀勢本線の複線化も行われている事に改めて驚いた。

 そして多気駅に到着後、これから多気駅の駅長さんに話を掛けようとした。


「おはようございます。玉城駅長様。」


「おう。美咲さんではないか。これからここで架線の工事をするんでしょ。なら手早くやった方が良いね。」


「勿論です。玉城駅長。」


 彼の名前は前から知っていたが、玉城宗次駅長。

 その名の通り、多気駅の駅長であり、伊勢神宮複線化プロジェクトの多く区関与した人間だ。

 そして多気駅は島式2面4線の橋上駅舎で改築された影響でここの利用者も大きく増加して行った。

 かつては約600人前後だったが、現在は3000人まで増加していることが多気駅のモーダルシフトにもやはり紀勢線の影響が非常に大きいと感じた。


 そう思いながら今回は参宮線の分だけの架線工事を行う事にしていた。

 なぜなら、紀勢本線は当駅以南は非電化路線な上、電車が乗り入れる利点が無いから非電化の状態が続くことが明白な上、私は架線工事が主体なのでこの件とは無関係だといっておきたい。


 そう考えながら私はこれから架線工事を始めつつ、この駅の様子をしっかりと見ていた。

 多気駅は特急『南紀』を走らせながら参宮線の特別快速を上手く待避させている印象が非常に強い。

 そして紀勢本線の普通列車は松坂駅で折り返している状況からもここで上手く折り返す要因が非常に大きいのはやはりここと松阪駅で上手く緩急接続していることが非常に大きいかと感じた。

 そういえば、『南紀』や『いせはるか』、『いせ』はここで普通列車と接続させて、松阪駅では紀勢本線多気以南と特別快速を上手く緩急させているあたりが非常に良い印象だと感じ、これなら良いと思った。

 何より『いせはるか』や『いせ』は大阪駅から発着している訳だから、梅田方面の住民からも利便性が高い事は評価されても良いかと。

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