≪適応≫スキルと大量信者で最弱から最強に至ったG ~勇者も魔王も倒して我は神になる~
kage3
1.かつての我の日常
我はこの世界に来てようやく本当の黒い悪魔となった。
火星で活躍する同胞に代わりこれから本格的にこの世界を侵略するのだ。
魔王も勇者も倒し・・・。その先ことはまだ考えてないがとにかく敵をすべて倒す。
大きな一歩を踏み出す前に初心を思い出すのも一興とこの世界に来たときのことを思い返してみる。
これは我がまだ新たな世界に旅立つ前のことだ。
巨人どもに数多の同胞が叩き殺され、叩き殺されないために巨人どもが入れない場所に逃げ込めば卑怯にも巨人は毒霧や冷凍ブレスで襲い掛かられ、巨人に見つからないために闇夜に紛れて行動すれば体を拘束する罠や我らの食料に毒を盛るなどして来た。
我々もただ殺されるのを手をこまねいて見ていたわけではない。
巨人の足元を高速で走り抜ける力、さらに巨人にはない空を飛ぶ力を使い必死に生きていた。
そのように巨人との争いを続けているうちに、我らは巨人から≪黒い悪魔≫と呼ばれるようになっていた。
そんな殺伐とした世界で我は巨人の中でもサイズの小さいものが多い比較的危険度が低い場所を住処にしていた。
その日は前日から食料を見つけることができず、巨人どもの活動が活発になる時間になったが飢えに耐えられず。
物陰に隠れながら巨人どもに見つからないようにある部屋に侵入していた。
少しすると巨人どもの気配が近づいてきたので慌てて物陰に隠れてやり過ごそうと行動した。
だんだん巨人の気配がこの部屋にやってくる。
『ガラガラ』大きな巨人用の扉が開いた。
「おはようございま~す。」
小型サイズの巨人が入って来た。
「今日は一番乗りか。誰か早くこないかな~。」
この巨人はここにとどまるようだ。仕方ない、今出ていくと見つかる危険があるので少しここで休むか。
「はっ」しまったずいぶん部屋の中が騒がしいどうやら長く寝てしまったようだ。
物陰から部屋の様子を確認してみると、大勢の小型の巨人どもが部屋に集まってきている。
しばらく動けないのでここで我の紹介をしておく。
もう気づいているとは思うが我はGである。
Gで分からない、Gゴキブリである。
うむ、ゴキブリなのに知能が高いのはなぜかと。
それはかつてはGであったが今はもっと高度な生き物になっているからである。
ぬ、過去の状態で知能があるのはおかしいと。
ええい、うるさい。もう話しを戻すぞ。
そうして小型の巨人がいなくなるのを物陰で待っていたが、いよいよ飢餓感の限界になったので自分の足を信じていっきに走り抜けて脱出することにする。
よし、今だ。
しかし、やはり巨人の活動時間はやつらに有利にであったためかあっさり見つかってしまった。
「きゃ、Gゴキブリよ」
我は同胞のなかでもトップクラスのスピードをもっている。例え正面からでも逃げおおせて見せるわ。
「どこに行った?」
何人もの小型巨人が我を叩き殺そうと歩き回っている。
一瞬のスキをついて我は再びもの陰に隠れた。
小型巨人たちが落ち着くのをしばらく待つしかないか。
腹は減ったが命には代えられない。
なら、なんで出てきたのかだと。
それは腹が減ったからだと言ったではないか。
リスクとリターンが見合わないだと。
ゴチャゴチャうるさい。
これはもう過ぎたことだから仕方ないであろう。ええい、続きの話だ。
何とかやり過ごそうと思ったが今回は運が悪かったのかうまく行かなかった。
なんと我が隠れていた物陰を小型の巨人があっさりどかしてしまったのだ。
あまりに急なことに我は体を硬直させてしまった。不覚である。
「ついに見つけたぞ!」
小型の巨人が我を叩き潰そうと腕を振り上げたそのとき、それは起こった。
急に地面がわれにもわかるほど強く発光しだしたのだ。
「わ、急になんだ。」
「なんか変な模様が浮かび上がってる。」
「ま、魔法陣?」
「キタ~!」
「異世界召喚か!」
「神のいたずらパターンか!」
「みんな、落ち着いて!」
周りが完全に光で埋め尽くされたとき我は小型の巨人とともにこの世界にやってきたのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます