珍獣捕獲大作戦3



ふふ、ようやく私達の怨敵とお会い出来ました。

ご機嫌ようです、汚兄様。

私達だと分かって随分と安堵していますが覚悟はよろしくて?


「な、なんだ我が妹か。スフィアよ、私は今忙しい。お部屋に戻りなさい。」


「まあまあ、私達はお兄様に御用がございましてよ。」


「用事?そちらにお二人は見かけぬ顔だが…。」


ミーナちゃんがフンと軽く鼻息を出してあえて挑発するように名乗る。


「初めましてフリード様。私は平民をやっておりますミーナと申します。」


「なに平民だと?」


「初めましてフリードざまぁ。私も平民を務めておりますロコルと申します。」


ロコルさんも続けるように軽い挑発を挟み名乗りました。

本当に分かりやすいくらい苛々したご様子のお兄様豚。

青筋がぴくぴくとされてましてよ。



「スフィアよ、何の用かは知らぬが平民風情を王城へと連れて参るなど愚かな行為であるぞ。おい貴様ら、平民如きがこの格式高い場に存在してはならない。さっさと去るか、この場で切り捨ててやろうか?」


吐き捨てるように告げ、腰に備えた不相応な剣を引き抜く。

他の馬鹿たちも同様に構える。

お兄様(豚)のお部屋が格式高い場ですって?

ふふ、冷めた目で笑ってしまいます。

へらへらと私の同士達に刃を向けないでもらえるかしら。



「スフィアよ、なにがおかしい?」


「ふふ、これが可笑しくなかったら何がおかしいと言うのですか。大の大人が5人でか弱い女の子3人に剣を構えているこの状況に。本当にお兄様は愉快なお方です、頭の方が。」


「なっ…スフィア、貴様少し前に私を腹蹴りしたからと調子に乗るなよ。おい、お前ら説教してやれ。妹以外の小娘は切り捨てよ。」


「「はっ!!」」


どこまでも短絡的でスカスカな頭をお持ちのお兄様。

部下に最も愚かな指示を出しました。

説教に剣を振り回すなんてどうかしてます。

ね、二人とも。


4匹の哀れな豚が頷く私達に襲いかかってきた。

私達に襲ってきて良いのはお姉様だけです!



「私が二人を相手にしますのでスフィア様とミーナちゃんは一人ずつお願い致します。」


「「りょーかい!!」」


多分、私達はみんな一人で4人ぐらい相手に出来る。だけど、楽しみを独占なんてしない。前菜からメインディッシュまで全部仲良く味わいます。


まずはミーナちゃん。

手に持つ大槌を一匹に狙いを定めてポーン。

投げた本人も可愛らしくポーンと言っている。

でも威力はえげつない。

大槌はもろに食らった男共々壁へ。

紐無しでここから飛び降りるなんてお兄様の部下にしては勇敢ですね。


次にロコルさん。

音もなく至近距離まで迫り両腕を見事に突き刺す。

どこに?

顔面です。


お姉様とよく試合をするという羨ましいロコルさんの動きにこの人達程度が反応出来る訳ありません。

またまた紐無しで飛ぶなんて勇猛果敢です。



最後に私ですが、もう既に吹っ飛ばしてます。

深窓の令嬢系のお姫様に剣を振り下ろして来るんですもの、くの字にして飛んで頂きました。お姉様への憧れで長袋に砂を詰め込んで蹴り続けた甲斐がありましたわ。



ここまで一分もかかりませんでした。

もう守る者は誰もいない、残るは哀れな子羊のみ。

準備運動にもならない運動を終えた私達はニコリと微笑んで差し上げる。

あら、どうしてそんなに震えていらっしゃいますの?


私達が拳で温めてあげましょう。


ゆっくりと着実に近づく死神に恐れ慄き後退りする馬鹿。


「く、来るな。私は第一王子だぞ。この国の王子だぞ。す、スフィア、そいつらを立ち去らせよ。しゃすれば許してやる。こ、こにゃいで!」


「「「ふふふふふふ…」」」



美少女三人組によるスーパーボッコボコタイ厶はっじまるよー!



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