まるでスプラッター映画
まだ炊事が僕に委任される前のこと、秋になると生サンマが安くなるので、今日はサンマを焼こうと提案したことがありました。
煮るとかじゃないので、問題無いだろうと思っていました。
そうそう、都会じゃどうなのか分からないけど、基本サンマは頭と内臓が付いたまま売られているのが普通です。
(最近は頭と内臓を取ったのも増えてきた)
僕は頭が付いて、内臓も食べるのが好き。
あのほろ苦くも、なんとも言えない旨味、大根おろしによく合います。
対して妻は、魚の目がとくに苦手なご様子。
ある日、サンマが安売りされてて
「今日は焼きサンマにしようか?旬だし」
「うん、そうだね。安いしね」
煮物は出来なくても、ただ焼くだけなら妻にも出来るだろうと高を括ってまかせてたら、まな板の上にサンマを乗せた妻が固まっている。
どうしたのかと覗いてみると、そこには頭の部分にティッシュを掛けられたサンマが2匹横たわっていた。
「まるで、お葬式なんですけど・・・」
「だって、目がこっちを見てるようで怖いから・・・」
まぁ、ティッシュを被せてサンマの顔が見えなければさばけるというなら、それはそれでいいけど・・・
狙いを定めて、思い切ってエラの辺りに包丁を入れる・・・が、力を入れられないのか一気に切り落とすところまでは行けず
「ぎゃー!血が!血が!」
うん、まぁそうなるよね。
北海道のスーパーで生で売られてるサンマは活きが良いし、血だって凝固してないから、ティッシュなんて置いたら当然血がティッシュに滲みるよね。
包丁を放り投げ台所から飛び出してきた妻に変わり、さくっと頭を落とし内臓を取り出す。
「あ、内臓と頭、三角コーナーに捨てて良いの?」
「ダメダメダメダメ!こっちのビニールに入れて縛って!それとビニールに入れる前にティッシュで包んで!」
ずいぶんとエコじゃないけど、まぁそう言うなら・・・
それ以降、魚の頭や内臓の処理は僕がやるんだけど、何故かシシャモは頭から丸ごと食べるんだよなぁ、これが。
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